やりすぎだと笑っちゃう3品はこれだ!
店頭で見かけていたものの、あまりのインパクトに思わずひるんでしまっていたのがこの2つのお弁当だ。
まずは「最香チキン弁当」は、チキンへの味付け、ソース、トッピングなどニンニクを丸々1個分使用。ニンニクのさまざまな食べ方を楽しめる、重度のニンニクラバーも納得せざるを得ないと思う一品。
グリルしたチキンにもすりおろしのニンニクが塗られ、上にはスライスニンニクがどっさりと乗っている。かなり臭くなるから、食べた後は人に会いづらいし、蓋を開けただけで強烈な臭いがするので部屋の換気も必要だ。けれど、体にパワーがみなぎるような感覚になるし、満足感があった。
「ころもが主役のチキンカツ弁当」(538円)は、ソースが染みたジューシーな衣を主役にしている。カロリーが高いものって、その背徳感を含めて最高なご馳走だと思う。
レモン果汁を入れてさっぱりさせたタルタルソースとからしソースで味の変化を加えるという、小技を効かせている。ただ、アラフィフの私に完食はちょっと難しいかな。
やりすぎの並びで紹介させていただきたいのは、「激辛デビルペンネ」(214円)だ。大量の輪切り唐辛子を盛り付けたペンネアラビアータは、ホワイトチーズソースで甘さやコクをプラスしており、単に辛いだけでないのも魅力。
これまでも、ご飯にコチュジャンを混ぜ込んだ「赤いビビンバおにぎり」(322円)、花椒やラー油などを利かせた「覚醒シビれカレー」(486円)などを出してきた「偏愛めし」。しかし、激辛党から「これじゃ辛いうちに入らない」などと酷評されてきたと開発担当者は唇を噛む。
しかし、このペンネアラビアータはしっかりと辛くて、辛いもの好きの私でも満足できる美味しさだった。ちなみに開発担当者は辛すぎて食べられないんだとか。
これらこそ、とことん振り切った突き抜け方をしている「偏愛めし」シリーズの素晴らしさだとうれしくなってしまう商品たちだ。
尖っているこそのウィークポイントがあった
ただしこの「偏愛めし」シリーズにおいて、ちょっと困っていることがある。コンセプト通り、万人受けを狙った商品では無いので仕方ないとは思うが、エリアや店舗によって、取り扱いのない商品が結構あるのだ。
私の住居エリアにあるドンキには、常温のお弁当とおにぎりはあるが、冷蔵コーナーの惣菜類は見当たらなくなってしまった。だからサンドイッチも無い。
だからこそ、時間のある時には通りがかりのドンキを覗くのが恒例となってしまった。先日たまたま寄った後楽園店には、時間帯等もあると思うが、「偏愛めし」のラインナップが意外と揃っておりテンションが上がった。
皆さんも機会があれば、お近くや通りがかりの店舗などをふらりと覗いて見ていただけたらうれしい。
他のお弁当類に比べるとちょっと割高に感じてしまうかもしれないが、コンビニと比べると十分、重量や個性では負けていないし、コスパも悪くないと思う。
ドンキにはいつまでも「やりすぎ」、「ヤバい」、「イカレてる」なんて、言われ続ける美味を生み出していってほしい。
文・写真/市村幸妙
いちむら・ゆきえ。フリーランスのライター・編集者。地元・東京の農家さんとコミュニケーションを取ったり、手前味噌作りを友人たちと毎年共に行ったり、野菜類と発酵食品をこよなく愛する。中学受験業界にも強い雑食系。バンドの推し活も熱心にしている。落語家の夫と二人暮らし。