『La cour cafe(ラ クール カフェ)』 @吉祥寺
ケチャップだけじゃ出せない味は自前のトマトソースが鍵
吉祥寺駅前にかつて「ストーン」という喫茶店があった。そのマスター戸田慎二さんが姉妹店としてここを開店したのが30年以上前。そして昨年「この店とマスターの味をこれからも残していきたい」、そう願ってバトンを受け取ったのが現店主の小暮大輝さんだ。
ナポリタンはストーン開業当時から変わらず愛されてきた戸田さんのレシピ。「太麺を使い、前の日にボイルして冷蔵庫に置き、特有のモチモチ感を出す」(戸田さん)、喫茶店の味。
ナポリタン(パン、サラダ付き) 1350円
そして何といってもオリジナルのソースだ。「ケチャップだけじゃ物足りないので」と、トマトソースを自前で仕込んで半々に使う。飴色に炒めた玉ねぎとベーコン、にんにく、ホールトマトを時間をかけて弱火で煮込むのだ。
さて実食。にんにくも効いて、炒まった香ばしさの中に奥行きのある旨みが顔を出す。いいなあ。これからもずっとあってほしい味だ。
[住所]東京都武蔵野市吉祥寺本町2-11-9 プラタ高橋ビル2階
[電話]0422-23-1518
[営業時間]11時〜22時(21時LO)
[休日]不定休
[交通]JR中央線ほか吉祥寺駅西改札から徒歩4分
『フェブラリーキッチン』 @浅草
見た目、味わい、食べ応えと3拍子揃った名物ナポ
老舗洋食店、喫茶店が多いナポリタン激戦区・浅草。浅草花やしきのそばに2019年にオープンしたのがこちら。
ナポリタンには、ラーメン好きにはお馴染みの製麺所「浅草開化楼」の太め手打ち麺(トンナレッリ)を使用。小麦の風味に溢れるもっちり食感で、にんにくを隠し味にしっかり炒めた濃厚なケチャップ味にも負けることなく、食べ応えあるナポリタンに仕上げている。
ここに、さらに卵約3個を使用したふわとろのオムレツをオンしたのがこの「オムナポリタン」だ。
「オムライス的な発想で作ってみたら、ナポリタンに卵のまろやかさとコクが加わって、ひと味違うおいしさになったんです」(店長・佐々木耕平さん)。
東京オムナポリタン 1400円
そこにソーセージの旨み、玉ねぎの甘みなども加えることで、見た目、味、食べ応えと3拍子揃った一品が完成した。界隈にある老舗の味に負けることなく着実にファンを増やしている。
[住所]東京都台東区浅草2-29-6 天野ビル1階
[電話]03-5811-1535
[営業時間]9時〜18時(17時LO)
[休日]不定休(インスタで確認を)
[交通]地下鉄銀座線浅草駅6番出口から徒歩9分
『珈琲舎ダンケ』 @浅草
老舗純喫茶のアイデアナポは飾らないおいしさ
ナポリタンが2種類ある。ひとつはウスターソースを隠し味に、ケチャップを和えてしっかり炒める定番タイプ。もうひとつが、トマトソースをベースに味付けしホワイトソースとたっぷりのチーズをのせてオーブンで焼き上げる「スパゲティグラタン」だ。
面白いのは定番の方は柔らかめに茹でてそのまま使うのに、グラタンはソースに絡めてひと晩寝かせてから使用すること。
「定番をグラタンにしたり試行錯誤して、トマトソースの味を麺にしっかり入れてからグラタンにするのが一番おいしくて」と調理担当のやよいさん。
スパゲッティグラタン 980円
ホワイトソースのまろやかさ、チーズのコクや風味に包まれたトマトの酸味が見事に絡まり、ハフハフしつつも食べる手が止まらない。
さらに付け合わせのバゲットをソースと絡めて食べた時のおいしさときたら!老舗純喫茶ならではのホッとする味を肩肘はらず気軽に頬張ってほしい。
[住所]東京都台東区浅草3-40-8
[電話]080-5021-9755
[営業時間]8時〜18時
[休日]木
[交通]つくばエクスプレス浅草駅A出口から徒歩7分