JRのガード下には居酒屋、寿司屋、とんかつ屋などが並び、周辺には焼きとん、ラーメンといった庶民の味が揃う浅草橋。浅草方面に少し歩いた先の蔵前は雑貨店、カフェ、こだわりある個性的な飲食店が点在。はしご酒から特別な食事まで幅広い「おいしい」巡りにぴったりなエリアです。
『中国菜 仁(ジン)』 @浅草橋
町にひそむ名店を発見 新味を感じる中華に拍手が止まらない!
町にある中華だから町中華には間違いない。けれども、この店の味は大衆的なそれとは一線を画す洗練された味わいだ。なんせ店主の田村さんはウェスティンホテル東京にある名店「龍天門」の厨房で20年間腕を振るった経歴の持ち主。
よだれ鶏や麻婆豆腐といった定番料理も揃えるが、自身で頻繁に香港を訪れ、旅の途中で仕入れた知識と食材で作るその時々のおすすめ料理が面白い。
具沢山海鮮のせご飯のせいろ蒸し 2200円
「具沢山海鮮のせご飯のせいろ蒸し」もそのひとつで、ランタオ島の港町・大澳の漁師飯をアレンジしたものなんだとか。ジャスミンライスの香りから乾物のエビやシャコなどの魚介の旨みが広がって、緻密な味の構成に唸りっぱなし。
どれをとってもそんな新味の発見に満ちていて、メニューを全制覇したくなる。
[住所]東京都台東区浅草橋1-33-3
[電話]03-6881-5425
[営業時間]11時半~14時半(14時LO)、17時半~21時半(20時半LO)
[休日]日・月(祝は営業)
[交通]JR総武線浅草橋駅西口から徒歩3分
『手打そば 更里(さらり)』 @浅草橋
しっとり盃を傾けつつ下町の粋に酔いしれる
駅前の喧騒から少し離れた路地に、清々と暖簾がはためく日本家屋がある。店主の小林さんは、これまた実家も蕎麦屋というサラブレッドで、大森の名店「布恒更科」で腕に磨きをかけ、20年前に古民家を改築して店を構えた。
漆塗りのテーブルに腰を下ろし、最初に手を伸ばすのはもちろん蕎麦前。
丸干しいか 1300円、チーズの味噌づけ 700円、焼き海苔 700円
熾した火種を仕込んだ専用箱で供される「焼き海苔」は、ゆるゆる盃を傾ける間もずっとパリッと音鳴る凛々しさで、「チーズの味噌づけ」も合いの手にちょうどいい。
もりそば 850円
蕎麦は店で石臼挽きした外二で、端正なコシとキリッと冷水で〆た清涼感を、たまり醤油のコクを効かせたツユが包み込む。
とは言え店主や女将さんの人柄あってか気取りは一切なし。こんな下町の蕎麦屋で過ごす時間はなんとも心地良いものだ。
[住所]東京都台東区浅草橋1-11-3
[電話]03-3863-6288
[営業時間]11時半~14時半LO、17時~21時LO(土・祝20時LO)
[休日]日
[交通]JR総武線浅草橋駅西口から徒歩2分