うなぎの蒲焼きの調理方法は東西で分かれている。背中を割いて蒸しを入れてから焼く「関東風」、お腹を割いてから直接焼く、地焼きの「関西風」。その境目が静岡県浜松市といわれている。それ故、浜松ではどちらも楽しめるのだ。一挙両得。まとめて食すうなぎ尽くしの旅に出た。
【浜松で食べるならココは外せない!!】
関西風『鰻処 うな正』 @三方原
ふっくら肉厚の身から溢れ出すきれいで深い旨み
『うな正』が使うのは幻とも称され“共水うなぎ”。大井川の伏流水の元、ストレスなく時間をかけて育てられるため数が限られ、全国でも扱われる店が少ないからだ。
店主の伊藤正樹さんは「食材ありき。その旨みを引き出すことが私たちの仕事」と語り、一尾ごと、身質に合わせて丹念に焼き上げていく。
例えば地焼きでは通常入れない蒸しを入れるが、関東風のように脂を落とすのではなく「身をほぐし、共水らしいきれいな脂をまとわせる」という。「きめの細かい身の質感を感じてほしい」とも。
共水 上うな重 5900円
焼き上がったうなぎは見るからにふっくら、そして品よく力強い姿。口に含めば優しくも緻密な身質の中に旨みが詰まっていて、じんわり広がる。
ジューシーな脂は甘くクリアで、香りがいい。隅々まで気を行き届かせないとこの味は出ないだろうなあ。白焼きもつまみもいちいち旨い。
[住所]静岡県浜松市北区三方原町467-4
[電話]053-437-3451
[営業時間]11時〜15時(14時LO)、17時〜20時半(19時LO)※売り切れ次第終了
[休日]火・水
[交通]JR東海道本線ほか浜松駅からバスで35分
【食事から呑みまで満喫 中心部&東寄りコース】
関西風『関西風炭焼 うなぎ専門店 鰻丸(まんまる)』 @大瀬町
地焼きのおいしさってこれか!と目から鱗が落ちるかもしれない。関西風の名店で16年修業して独立。100%備長炭を使い、大きさや脂の乗り方で火の入れ方も調節。
外側は見事にカリリと焼け、サクサクした食感。それでいて中はトロリ。カラメル感のあるタレの甘み、口の中に広がる香ばしい香りと力強い旨み、それが渾然一体となって混ざり合う。
白焼とタレの染みたご飯の中に蒲焼きがいる「まむし膳」もおすすめ!
まむし膳 白焼 5500円
[住所]静岡県浜松市中央区大瀬町1602-1
[電話]053-435-1519
[営業時間]11時〜14時、17時〜20時
[休日]火
[交通]遠州鉄道積志駅から徒歩20分、浜松ICから車で9分
関東風『魚料理専門 魚魚一(とといち)』 @浜松
浜松駅からも近い繁華街・肴町にあるこちらは遠州灘や浜名湖、天竜川などからの新鮮魚介を楽しめる魚料理専門店だ。そしてここでは逸品「うなぎの刺身」が味わえる。普通うなぎは生では食せないが独自の技術を開発し、商標登録も取得。
うなぎの刺身 2980円
薄造りを熟成ポン酢でいただくと、しっかり弾力のある歯応えのあと、噛むほどに脂が溶け出して旨みと甘みが追ってくる。ほかではちょっと出合えない新しい味。浜松にて遭遇!
[住所]静岡県浜松市中央区肴町318-28 ペッシェビル3階
[電話]053-458-6343
[営業時間]11時半〜14時(要予約、コースのみ)、17時〜23時(22時LO)
[休日]日(月が祝の場合、営業)
[交通]JR東海道本線ほか浜松駅北口から徒歩7分