“足だけ”で絶品を仕入れる、幡ヶ谷『紋寿司』
いい店ってお客の雰囲気でわかるものだ。
ちょっと珍しい日本酒も取り揃える同店では、まず刺身や焼き物をつまみながら飲み始めて、握りを食べるのがお決まりのコース。と言っても握りは1貫から注文できて、しかも高級店顔負けのいい魚が揃っている。
「魚に愛情が伝わるから」と話す店主は注文による仕入れはせず、市場を歩き回ってベストな魚を探す。
弾力ある淡路島産のアジからとろりと甘い本マグロの脳天、引き締まった身に脂が乗った迷いガツオまで、食べるとつい「おいしい」が口をつく。と、この独り言に反応した他のお客と目があってお互い笑顔で会釈する。
そんな触れ合いにも心をほぐされ、ああいい店だったなあと思いながら帰るのだ。
『おとなの週末』2023年11月号より
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…つづく<東京のうなぎの名店6選 うなぎ好きの『おとなの週末』編集部がおススメ!>でも、編集部がおススメの絶品うなぎの店を紹介します。