舌に吸い付くマグロ、玉子焼きにもこだわり。蒲田『健寿司』
席に座るとシミひとつない白木のカウンターに目を奪われた。長年手入れし続けた檜のそれは、なめらかで肌に当たる感覚も気持ちいい。
奥に控える冷蔵ケースにはネタが整然と並べられ、これだけでも実直な仕事ぶりが伝わってくるではないか。現在店を守るのが物腰も柔らかな2代目の光一さん。できるだけ天然の、それも近海物を選んで仕入れている。
歯応えのいい白身や、舌に吸い付くようなマグロとネタの良さは大前提として、3種類を用意する玉子焼きに、刺身のツマも手作り、さらに卓上に置く醤油だって、ひと晩で入れ替えてフレッシュな香りを大事にしている。
そんな目立たぬ細部まで惜しみなく技と手間を込めた、お手本のような町寿司だ。
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シャリだけで酒が飲める。世田谷代田『鮨処 まる』...
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