銀座の日本料理店というだけで尻込みするのに、1万円超の朝食なんて想像つく?しかも店主は、五つ星ホテルの総料理長時代、米国の雑誌で朝食を世界一と評された稲葉正信さん。しがないライターの飯田は震える手で店の格子戸を引いた。
これぞ和の醍醐味!禅の世界観を楽しむ食体験『銀座稲葉』
白木のカウンターに座ると、目の前にはおくどさん(京ことばで竃のこと)。凛とした空気の中で、まずは目覚めの一杯。果肉たっぷりのオレンジジュースがとろっと豊潤で口福だ。
続く、玉地蒸しは、生姜餡が品よく舌に優しい。
店内に音楽はなく、その静けさはどこか禅の世界を思わせる。羽釜でご飯が炊き上がる音が聞こえてきたら、膳の盛り付けが始まった。岩手白金豚の角煮、真鯛のゴマ醤油がけ、伊勢エビとアワビの天ぷらなどが並んだ、この日の本膳。
朝食 1万1000円
筍や山菜も旨く、心がホクホク~。ご飯は、白米と玄米が選べ、どちらもみずみずしい甘みで無限に食べられそう。