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サツマイモの甘さが癖になる「かんころ餅」!

真鳥餅店のかんころ餅(税込918円)。甘古呂餅とも書く。味は何種類かあるが、まずはプレーンなサツマイモだけがおすすめ。

福江島で出迎えてくれた地元のかたに「みやげに買って帰るなら何がいいですか」と問うと、「まず、かんころ餅 (税込918円) ですね」という返事があった。島民にとっては、最も身近な味なのだそうだ。味の種類はいくつも用意されているが、まずはプレーンなサツマイモだけの味を知ってほしいとのこと。

その場でスマホ検索すると、もともとは高価なもち米による餅を、ふかしたサツマイモでかさ上げしたのが誕生のきっかけらしい。もち米とサツマイモを搗いて伸ばして乾燥させて、保存食にしたのだという。

売り場で手にしたかんころ餅は、分厚くしたかまぼこ板を真空パックしたような体裁で、手に取ると中身の詰まったずしっとした感触がする。包丁で切り分けて食べるもので、垢抜けた体裁とは言い難いが、素朴な味を予感させる手応えだった。

その予想は半分当たっていて、半分外れていた。サツマイモの甘みがとても上品なのだ。

ズンとくるサツマイモの甘さが、緑茶にあう

もともと保存食なので、ふかしたサツマイモの甘さがいつでも楽しめる。緑茶によく合う甘さだ。

餅の歯ごたえよりも、サツマイモの味が前面に出てくる。ふかしたサツマイモを、保存が効くように加工した食品のような印象だ。噛みしめるたびにサツマイモの甘さがズンとくる。

そして、このサツマイモが美味い。なめらかで上品で、もとのイモもいいのだろうが、なめらかに仕上げるための手数もかけられていることが伺える味だ。かんころ餅だけを食べても美味いが、緑茶と合わせるとグンと味が引き立つ。三時のおやつに丁度いい菓子だ。

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深澤 紳一
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