「子供は乾く前のセメント」という言葉の意味~担当編集者からのひとこと~
『子供は乾く前のセメントのようなもの。落ちたものはみんな跡を残す』
児童心理学者、ハイム・G・ギノットの言葉です。ギノットは50年以上前に亡くなっていますが、数年前、人気漫画『ミステリと言う勿れ』に、主人公・久能整のセリフとしてこの言葉が登場し、「心に響く」と話題を呼びました。
この言葉を知って、私の“跡”について考えたとき、思いついたのは、「山手線が苦手」ということです。
子供のころ、夏休みは、地元の北海道から母の実家がある埼玉に遊びに行っていたのですが、地元とは比べものにならないくらい暑い東京で、移動手段として主に利用していた山手線は、いつも超満員。
その息苦しさに、山手線が「東京のつらい夏の暑さの象徴」になってしまったことが原因だと思うのですが、いまだに、山手線は少し窮屈な気がしてしまうのです。
この例は取るに足らないものですが、自分には、そういう“跡”が他にもたくさんついているのでしょう。
ただ、「セメントに跡」と聞くと、悪いことのように感じますが、嬉しかったこと、楽しかったことでついた「良い跡」もたくさん残っているはず。そう思えたら、もっと自分のことを好きになれそうな気がしました。
前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。
ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。