国分寺「治鮨」
本マグロの人気部位オールスターが丼に勢ぞろいとは何たる贅沢か。いわゆる有名産地に固執せず、高級店に負けない品質を確実に仕入れるのが店主の金里さんの信条だ。生にこだわるのは「旨みと酸味の後味がいいし、何より味にお客様が喜んでくれるから」とシンプル極まりない理由があくまでも客目線でかっこいい。
つけ台の皿などは特注の作家物で、マグロの赤が映えるよう配慮しているのもさすが。実は中華とフレンチも経験があるが、対面で接する寿司職人が自分に合うと34年前に業界に飛び込んだ。店内の設えもさりげなく一流を用いており、豊富な経験から得たおもてなし精神が随所にあふれている。
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近年は本マグロの危機的な激減で資源管理も進められているが、縄文時代から食してきたとされる日本人には欠かせない食材。大事に守りたいその果てなきすばらしさだ。
…つづく「東京のうまい 「最強の町寿司」 ベスト7軒…高コスパ、一貫 《110円》 からで一見さん、ソロ活でも大丈夫「覆面調査隊が実食」」では、手軽に食べられる寿司店を紹介しています。
『おとなの週末』2018年11月号より(本内容は発売当時のものです)