雑色「スタンド鮨サカバ 917」 こちらはちょっと変化球。なんと寿司と沖縄の八重山そばが楽しめるんだと! 近くで寿司酒場を営む沖縄出身の大将が期間限定で始めた店。 定番から旬のネタ、しかも今回の取材を機になめろう風の真鯛…
画像ギャラリーたまには贅沢にちょっといいものをしっぽり食べたい。そんなニーズにこたえるのが「寿司居酒屋」や「立ち食い寿司屋」などだ。
かつては「回らないお寿司」と言えば、敷居も値段も高そうなイメージがあったが、ここ最近は高級店のセカンドブランド店をはじめ、新鮮なネタがそろう仲卸直営の寿司屋でカジュアルにつまめるお店も増えてきている。
そんな新名所とも呼ぶべきいい寿司屋のなかから、覆面調査隊が特に厳選した実力店を大公開します。
蒲田「すしや コトブキ」
大阪から新しいネオ寿司屋が関東初進出! その場所は渋谷でも新宿でもない……蒲田だ。いやあ商店街の一画におしゃれなネオンサインが現れた時には我ら地元民もざわついた。何せ関東の旗艦店舗。特徴は回転寿司のような気軽さで本格寿司と居酒屋メニューが楽しめることだろう。
本マグロなど握りは約30種。本部が一括して仕入れるからこそ質のいいネタが格安で提供できる。そんな本気メニューの他、イマドキの映える名物もありますよ。「なだれ寿司」はサーモンやイクラなど人気ネタが細巻の上にどおんっ。コレ、しこたま酒が進みます。
学芸大学「サンフランスシコ」
ワインと寿司が合うってこういうことかと思わず手を打った。「ワインに親しむきっかけに」と寿司とのマリアージュを提案する店を三軒茶屋で開いたのが2年前。こちらはその2号店だ。
ソムリエであるオーナーが考案した同店の寿司は、ワインに合わせてネタの旨みを引き出せば、香りを足し、時には食感をも演出する。それぞれ相棒となるワインがあり「ホタテの花飾り」はレモンのような香りの白。黒胡椒やオリーブオイルでマリネしたネタにきゅっとレモンを搾ったような爽やかさが加わるから驚き。ペアリングの新たな可能性に惚れ直したぞ、ワイン!
代々木「しゅん」
ちょっと一杯ひっかける。そんな気軽さで旨い寿司が食べられたらなあ。そんなドリームをカムトゥルーしてくれるのが「飲める寿司屋」がコンセプトの同店だ。カウンターのみの店内は立ち飲み屋のようだけれど、出てくる寿司は本格的。魚の目利きが確かなだけじゃない。
たとえばイワシの握りは注文が入るたびに身をおろすから、脂のなめらかさとプリッと弾力ある歯応えの両方を楽しめる。小さめで白酢がキリッと効いたシャリと合わせれば、旨みの余韻だけを残してあっという間に胃に消える。新鮮な魚介で作るつまみだって隙なくおいしい。こういう店、もっと早くに知りたかった!
末広町「鮨スタンド 三六五」
流行りの立ち食い寿司の中でも仲卸直営とくれば期待値がぐんと高まる。品書きは毎日変わるが、ある日のそれは小肌など馴染みの顔ぶれからヒゲダラ昆布〆にホヤの握りまでレア物もあって特別感満載。社長自ら抜群の目利きで競り落とした魚介が揃うのは最大の強みだ。
これらを高級店などで修業した高山店長が握ってくれるんだからまあ期待を裏切らない。ネタをしっかり味わえるようシャリは小さめ、白酢のキリッとした塩梅も素材を引き立てている。カニ味噌で和えたほぐし身がそそり立つ「毛ガニタワー」など食べ手を飽きさせない変わり種も旨し!
雑色「スタンド鮨サカバ 917」
こちらはちょっと変化球。なんと寿司と沖縄の八重山そばが楽しめるんだと! 近くで寿司酒場を営む沖縄出身の大将が期間限定で始めた店。
定番から旬のネタ、しかも今回の取材を機になめろう風の真鯛を使った新ネタを考案するなど、やる気あふれる姿勢は実に気持ちがいい。「八重山そば」はカツオと豚骨のダシに魚のアラを加えるのも寿司屋ならでは。滋味深き味だ。
『おとなの週末』2023年11月号より(本内容は発売時のものです)
…つづく「本当にうまい「チェーン店のすし屋」ベスト7店…一貫108円、ソロ活でも大丈夫な《高コスパ店》ご当地ネタも豊富な店を大公開」各地にひしめくチェーン店の寿司屋のなかから、用途別で使えるおいしい寿司店を紹介しています。