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「まだまだ時期尚早じゃ」長州藩の恨みのエネルギー

家康の約束違反を毛利家の当主は代々忘れず、正月の儀式の際、家臣が「殿、関東征伐はいかが?」と尋ね、殿様が「まだまだ時期尚早じゃ」と答えるのが常だったとか。

そのたまりにたまった長州藩の恨みのエネルギーが、明治維新を起こす原動力になったともいえます。

萩城跡指月公園 Photo by Adobe Stock

【萩城】(別名・指月城[しづきじょう])
慶長9(1604)年、関ヶ原の戦いで敗れた毛利輝元は、中国8カ国120万石から、周防、長門2カ国37万石へと大減封となった。それに伴い広島城から日本海に突き出た指月山(しづきやま)143mの麓に築城したのが萩城だ。現在は天守台や石垣しかないが、天守台の石垣の反りは日本一美しいという人がいるほど。現在は萩城跡指月公園として整備されている。
開園時間:8時~18時30分(4~10月)、8時30分~16時30分(11~2月)、8時30分~18時(3月)
料金:大人220円、小人100円
住所:山口県萩市堀内1ー1
電話:0838ー25ー1750(萩市観光協会)

萩城跡指月公園 Photo by Adobe Stock

【毛利輝元】
もうり・てるもと。1553~1625年。毛利家当主、毛利隆元の嫡男として生まれ、父の急死を受けてわずか11歳で家督を継ぐ。叔父の小早川隆景や吉川元春に支えられ、織田信長と戦った。信長亡きあとは秀吉に近づき、五大老となる。関ヶ原の戦いでは西軍の大将に祭り上げられ、大坂城に入るも一度も戦うことなく退いた。秀頼を擁して対峙すれば、勝敗の行方は変わっていたかもしれない。

松平定知さん

松平定知 (まつだいら・さだとも)
1944年、東京都生まれ。元NHK理事待遇アナウンサー。ニュース畑を十五年。そのほか「連想ゲーム」や「その時歴史が動いた」、「シリーズ世界遺産100」など。「NHKスペシャル」はキャスターやナレーションで100本以上担当。近年はTBSの「下町ロケット」のナレーションも。現在京都造形芸術大学教授、國學院大学客員教授。歴史に関する著書多数。徳川家康の異父弟である松平定勝が祖となる松平伊予松山藩久松松平家分家旗本の末裔でもある。

※『一城一話55の物語 戦国の名将、敗将、女たちに学ぶ』(講談社ビーシー/講談社)から転載

※トップ画像は「Webサイト 日本の城写真集」

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