スポーツカー/マツダ ロードスター S(289万8500円/6速MT)
生粋のスポーツカーとあって運転感覚は抜群に楽しい。しかも車両重量が1010kgと軽く、自分の手足のように操れる。直列4気筒1.5Lエンジンの動力性能も適度だから、無理な走り方をしなくてもフルパワーを引き出すことが可能だ。
そしてSは6速MTながら、後輪側のスタビライザー(ボディの傾き方を制御する足まわりのパーツ)やボディ剛性を高めるトンネルブレースバーを装着していない。一般的には欠点と受け取られるが、これらの違いにより、走り方によっては、カーブを曲がる時に後輪の横滑りが緩やかに発生する。
この時の挙動は、1989年に発売された初代ユーノスロードスターを思い起こさせ、当時を知るドライバーには無性に懐かしく感じられる。
文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。
写真/トヨタ、ホンダ、マツダ、スズキ、Adobe Stock(アイキャッチ画像:sigemin@Adobe Stock)