変化する老人ホーム
レストランでは一人で食べている人もいれば、夫婦、仲間と歓談しながら食事をとる人も。入居者は、1人入居が8割、2人入居が2割、男女比は3:7で女性のほうが多い。他の施設よりも若干、男性が多いそうだ。「老人ホームと聞くと、追いやられるイメージがあって、お子様やご本人が敬遠されることもありますが、昔といまでは老人ホームも変わってきています」と支配人。
入居者の家族や友人は、ゲスト宿泊をすればこの温泉に入れるほか、一般の人は入居を検討している人であれば体験宿泊が可能。こんなかけ流し温泉があれば健康寿命も延びそうだ。
【施設概要】
「サンカルナ久留米」は地上14階建て、全306室(一般居室272室、介護専用居室34室)の九州最大規模のシニアマンション。住居エリアのほか、久留米の町を見渡す「スカイラウンジ」、中庭を望む「ライブラリーラウンジ」、広々とした「レストラン」、お酒を飲める「バーラウンジ」、麻雀卓を備えた「娯楽室」のほか、「カラオケルーム」「フィットネスルーム」「カルチャールーム」「理美容室」などを備える。間取りは20タイプ以上あって、1Rの約37平方メートルの居室から2LDKで100平方メートルを超える居室もある。
【料金】
ゲストルームの利用は1室4名まで。料金は1人1泊5500円、二人目以降同2750円。食事をつける場合は、日替わり定食の朝食572円(軽減税率適用の場合561円。1食670円以下、その日1日の累計額が2010円までは軽減税率の対象となる)、昼食803円、夕食1155円が別途かかる。
入居者の料金モデル例は、Gタイプ(48.98平米)に82歳が一人で入居する場合、前払い方式の場合、入居一時金が1661万円、管理費などに加え3食を含んだ月額合計が19万1070円(食費は基本7万5570円、自炊の場合は最低料金2万2000円を負担、5万3570円安くなる)。入居一時金を払わない月払い方式の場合、月額30万3060円(同)。
【施設データ】
『サンカルナ久留米』
住所:福岡県久留米市津福本町198番地2
電話:0120-428-102
泉質:アルカリ性単純温泉
アクセス:西鉄天神大牟田線「聖マリア病院前」駅から徒歩2分。または西鉄「聖マリア病院前駅」バス停から徒歩1分
文・写真/野添ちかこ
温泉と宿のライター、旅行作家。「心まであったかくする旅」をテーマに日々奔走中。「NIKKEIプラス1」(日本経済新聞土曜日版)に「湯の心旅」、「旅の手帖」(交通新聞社)に「会いに行きたい温泉宿」を連載中。著書に『旅行ライターになろう!』(青弓社)や『千葉の湯めぐり』(幹書房)。岐阜県中部山岳国立公園活性化プロジェクト顧問、熊野古道女子部理事。