じつは森の植物プランクトンの発生にいちばん大切な成分は、鉄なのです。植物の緑は葉緑素(クロロフィル)といいます。葉緑素は二酸化炭素(CO2)を炭素(C)と酸素(O2)に分解する光合成というもっとも大切な仕事をしています。でも、鉄がないと葉緑素はできないのです。
植物を育てるときに、肥料をやりますね。肥料の三要素は、窒素、リン酸、カリウムです。なかでも植物は窒素をたくさん必要とします。窒素は海の中では、硝酸塩というかたちになっています。植物プランクトンが硝酸塩を体の中に取り込むとき、まず先に鉄を体の中に入れておかねばなりません。硝酸塩を酸素から切り離して、還元しなければならないからです。
硝酸塩を還元すると、窒素が得られるのです。まず鉄がなければ、植物プランクトンが増えることはできないのです。
世界中には、どんなカキがあるの?
グリコーゲンやタウリンを多く含むカキは「海のミルク」といわれ、世界中のたくさんの人々に愛されています。どんなカキがあるのか見てみましょう。アメリカの東海岸のカキは「アトランティック・オイスター(大西洋ガキ)」といいます。貝柱が付着しているところの貝殻が青紫色をしているので、「ブルーポイント」と呼ばれています。殻は平べったく、独特の味わいがあります。
サンフランシスコから北のアメリカ西海岸のカキは「オリンピア・オイスター」といい、かなり小ぶりで成長するのに時間がかかります。もともとアメリカにはヴァージニカとオリンピアしかいませんでした。このほか、百年前、沖縄出身の宮城新昌が宮城種の移植に成功した「パシフィック・オイスター(太平洋ガキ/マガキ)」が、今でも養殖されています。
フランスのカキ生産者は、古くから「ポルトケーゼ」というカキの種苗をポルトガルから輸入していました。ところが60年ほど前、ウイルス性の病気が発生し、ほぼ全滅しかけたのです。そこでフランスの生産者が目をつけたのは、百年前にアメリカの西海岸に日本から運ばれて養殖に成功していた「マガキ」の種苗「宮城種」でした。
ポルトケーゼはマガキとよく似ていますが、殻のまわりのギザギザがゆるやかです。フランスのブロン川河口付近でとれるのは、ブロンというブランド名で知られる「ヨーロッパヒラガキ」です。平たくて丸みを帯びた貝殻です。
オーストラリアに自生するカキは「シドニー・ロックオイスター」で、ニュージーランドには「ブラフ・オイスター」があります。カップ型の小ぶりなカキです。

