東京にはいくつもの川が流れている。普段何気なく眺めている川も、川に沿って歩いてみると、史跡がいくつもあり、名も知らぬ花が咲きと、実に色々な表情を持っていることに気付く。週末の散策にぴったりな3名川を歩いてみました。今回は昔の生活の跡が多く残る石神井川を紹介します。
画像ギャラリー東京にはいくつもの川が流れている。普段何気なく眺めている川も、川に沿って歩いてみると、史跡がいくつもあり、名も知らぬ花が咲きと、実に色々な表情を持っていることに気付く。週末の散策にぴったりな3名川を歩いてみました。今回は昔の生活の跡が多く残る石神井川を紹介します。
穏やかな雰囲気と豊かな緑に癒やされる
石神井川沿いは古代の人々の暮らしぶりがわかる遺跡が多く点在する。実は、石神井川の近くに住んでいる我が家の近くにも、縄文時代の集落がある。
中世には、豊島氏が支配していた石神井川流域は大いに栄えたという。
水源は、小平市にある小金カントリー倶楽部内(諸説あり)。そこから西東京市、練馬区、板橋区を経て北区で隅田川と合流する。全25.2kmもあるなんて、今まで知らなかった。
地元の石神井周辺は中流域にあたり、現在護岸整備工事の真っただ中。上流にのぼると、人がすれ違えないほどの細~い道があったり、川沿いスレスレに民家が並んでいたり、整備前のリアルな生活風景が残っている。
優雅なリバーサイド散歩と謳うなら、下流域の王子から上流に向かってスタートするのがおすすめ。
川に面したナイスビューの『ビストロジュン』は出発前の腹ごしらえにぴったりだ。
フォアグラのポワレ 2200円
眼下に旧流路を活かした音無親水公園があって、昔の趣に浸れるのもいい。この先の再び川が見えてくるところは、底が深くてびっくり。渓谷だった名残で、底まで10m以上はありそう。
きれいに整備された遊歩道の両岸には木々が生い茂り、中流域とは違う優雅な雰囲気。道中には、谷津大観音や加賀藩前田家下屋敷跡、氷川つり堀公園などがあり、楽しみもいろいろ。俳句の散歩道や野鳥の説明板も置かれ、歩き甲斐がある。
パティスリーの『ルポン デザミ』の近くには、地名の由来になった板橋も。
王子から1時間歩いて休みたくなる頃に、『たまごの鶴田』に到着。ここをゴールにして、卵とビール、または旬のつまみと日本酒で一杯やるのもいい。
本日のキッシュ(ベーコンとキノコ、サーモンとアボカド)690円、ハートランド樽生ビール 550円
時間が早ければ、さらに1時間歩いて、豊島園にある「庭の湯」の温泉で締めくくっても。体力のある方はぜひチャレンジを!
まろやかとスパイシーが溶け合ったクセになる味『たまごの鶴田』@中板橋
商店街近くを流れる川沿いに、こだわりの味を気軽に楽しませてくれる秀逸店を発見!
とろっとろの卵の上に、ソースがたっぷりのった、たまごライスが看板メニュー。しかも、ソースはクリーム系と挽き肉系のあいがけ!
たまごライスプレート 890円(ランチ)
この日は、まろやかなしらすバジルクリームとピリリと辛いガパオ風ソースで、メリハリが利いた組み合わせもいい。さらに、十五穀米を使ったカレー風味のライスが全体の味を引き締めて、最後まで飽きずに楽しめる。
ランチはもちろんだけど、この複雑な味わいはビールにもぴったりだ。
[住所]東京都板橋区常盤台1-61-6
[電話]050-3703-1231
[営業時間]11時半~15時、18時半~21時半
[休日]月曜日・第1日曜日
[交通]東武東上線中板橋駅北口から徒歩3分
王子の美味『ビストロジュン』@王子
駅裏の公園周辺には、飲食店も居酒屋や喫茶店など数多い。
中でも優雅な時間を過ごすなら、ここ!ホテル仕込みの本格フレンチを工夫を凝らしてリーズナブルに提供している『ビストロジュン』を紹介します。
この日の魚のメインは、カジカ、カレイ、カサゴの3種類で、ソースにはエビやカニなどの旨みが凝縮。前菜も食べ応えがあり利益を心配してしまうが、価格を抑えられるのは、新潟県・糸魚川の漁師から箱買いで魚を仕入れているから。
本日のスペシャルランチ 2000円(自家製サーモンマリネ、青豆のスープ、 本日のお魚料理、パン、コーヒー)
届くまで中身はわからないが、そこは23年間帝国ホテルで働いていたシェフの腕の見せどころ。甲殻類の殻や魚の骨も丸ごと使いダシを取るなど、惜しみない使い方が美味しさにつながっている。
[住所]東京都北区王子1-2-4
[電話]03-5980-7210
[営業時間]11時半~14時LO、18時~21時LO
[休日]月曜日・第3日曜日
[交通]JR1京浜東北線ほか王子駅北口から徒歩1分
洒落た店構えの洗練されたフランス菓子『ルポンデザミ』@板橋
地元民御用達のパティスリー。フランスで修業したというオーナーシェフのケーキは、見た目も美しく、フルーツ使いが秀逸。
シューキャラメル 335円
ほろ苦い甘みが堪らないキャラメルシュークリーム、きめ細かいスポンジとじゅわっと広がるフルーツの果汁が美味しい「ルレ・フリュイ」のほか、イチゴのジュレの甘酸っぱさが効いた「シシリアン・ピスターシュ」(540円)も人気。
[住所]東京都板橋区仲宿49-7
[電話]03-6905-7613
[営業時間]10時半~19時
[休日]不定休
[交通]都営三田線板橋本町駅A2出口から徒歩7分
石神井川にかかる「板橋」がいつしか町の名前に『いたばし』@板橋
仲宿商店街と石神井川の交わる場所にある板橋。平安時代にかけられた橋が、木の板でできていたため板橋と呼ばれるようになり、地名として定着したという説がある。
鎌倉時代の文献にも板橋の名称が登場し、中山道の一番目の宿場も「板橋宿」と名付けられている。
[住所]東京都板橋区仲宿49・50、板橋区本町28・29
ぷらっと気軽に釣りをしながらひと休み『氷川つり堀公園』@新板橋
石神井川の旧流路を利用して造られた釣りができる公園。入場無料だけでなく、なんと釣り道具や椅子も貸し出し無料とサービス満点だ。
タナゴやウグイ、クチボソ、フナ、和金などが放流されていて、キャッチアンドリリースが基本。エサの販売はないので要持参。
[住所]東京都板橋区氷川町21-15
[電話]なし
[営業時間]9時~16時(7月~8月は8時半~16時半)
[休日]第1・3・5木曜日、年末年始
閑静な石神井川沿いに突如現れる巨大な観音像『谷津大観音』@新板橋
石神井川沿いの観音橋の袂に建つ、高さ約8.5m(台座を含む)の立派な観音様。
すぐ近くにある新選組の近藤勇の菩提寺である寿徳寺が、場外仏として2008年に建立した。
本尊は子育観音として親しまれていて、この大観音も行き交う際にお参りしていく人が多かった。
[住所]東京都北区滝野川4-22-2
東京の魅力発信プロジェクトとは
雑誌『おとなの週末』ムック「ぶらっと東京日和」は令和6年度「東京の魅力発信プロジェクト」※に採択されています。
東京都は、国内外へ東京の都市としての魅力を発信し、「東京ブランド」の確立に向けた取り組みを推進しています。その一環である「東京の魅力発信プロジェクト」※に、雑誌『おとなの週末』ムック「ぶらっと東京日和」が採択されました。
「Tokyo Tokyo」とは
「Tokyo Tokyo」は、東京の魅力を国内外にPRするアイコンです。旅行地としての東京を強く印象づける「東京ブランド」の確立に向けた東京都の取組の中で誕生しました。
筆文字のTokyoとゴシック体のTokyoは、江戸から続く伝統と最先端の文化が共存する東京の特色を表現しています。
※2021年8月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
つづく…『東京日和』では、石神井川と同じく東京の3名川の神田川周辺の魅力的なスポットも紹介しています。