アルコール8.5%なのに飲み口がなめらかで重くない
今度は、「HAZY JANE」と「Teenage Hazy Jane」を飲み比べる。
「HAZY JANE」はニューイングランドIPAというスタイル。濁りのある液面の見た目からヘイジーIPAとも呼ばれ、数年前にクラフトビール界を席巻。今では定番のスタイルになっている。
飲んでみると、苦みが少なくパイナップルを思わせるトロピカルな風味が感じられる。なめらかな飲み口で非常に飲みやすい。
「Teenage Hazy Jane」は、より濁りが強いビジュアル。グラスを口に運んだ時点で香るトロピカル感はすでに「HAZY JANE」超え。飲むと、とにかくジューシー。濃厚。それもそのはず、ホップの使用量は、Teenage史上最高だという。
「HAZY JANE」に戻るとかなり軽く感じるので、ホップの量で個性を出したというのがよくわかる。
ちなみにこちら、DDH DIPA(ダブルドライホップ ダブルアイピーエー)というスタイルで、アルコール度数はHAZY JANEより3.5%高い8.5%。それでもグイグイいきたくなる飲み口なのがすごい。そこは「HAZY JANE」リスペクトのスムース(なめらか)な飲み口をもたせているからかもしれない。Teenage Brewing、恐るべし。
こちらも曲のペアリングを楽しむとしよう。こちらはアンダーワールドの代表曲『Born Slippy Nuxx(ボーン・スリッピー:ナックス)』である。映画『トレイン・スポッティング』の挿入歌でご存知の方もいるだろうか。個人的に大好きなアガる1曲である。
濃厚なビールとボーン・スリッピーのペアリングは、脳内に重低音が直撃。このままBPMが高めの曲に溺れていきたくなるのは酔っているからだろうか。
もうひとつ書かれていて、こちらはアルバム。Aphex Twin(エイフェックス・ツイン)の『Selected Ambient Works 85–92』。アンビエントゆえ心地よいサウンドでちびちびいきたくなる。『ボーン・スリッピー』はグイグイ飲んでしまうから酔いが加速してしまう(最高に楽しいんだけど)。うーん、どっちもいい。
とまぁ、4本を飲み比べるとさすがにヘロヘロ……。みなさんはもっとちびちび飲んで、素晴らしいコラボレーションをお楽しみください。
取材・文/編集部えびす