「日本酒を世界酒に」というビジョンから誕生。楽しめるシーンが広がりそう
「SummerFall」がどうして誕生したのかというストーリーも、ちょっと興味深い。開発・販売開始したのは2016年に創業したスタートアップ企業「WAKAZE」だ。で、代表の稲川琢磨さんによれば、同社が掲げるビジョンが「日本酒を世界酒に」。
「創業のときから変わらないのが『日本酒を世界酒に』というのがビジョンで、なるべく世界中の多くの人に日本酒を飲んでもらいたいと思っています。と同時に、日本でリサーチしてわかったこともあります。日本の若い人がけっこう日本酒にチャレンジしたい、だけど、どこから初めていいかわからないと思っているということ。それに対しても極限までハードルを下げる取り組みをしたいと考えています」
19歳のときに渡仏して生活する中で、ワインを楽しむフランス文化に感銘した稲川さんが日本に戻ったときに、改めて発見したのが日本酒の魅力と奥深さ。ワイン文化と日本酒文化の間に共通点も感じたという。しかしその一方で、日本酒の市場、消費量はピーク時の3分の1くらいに落ち込んでいるーー。それが稲川さんのパッションに火をつけたというわけだ。
ちなみにWAKAZEは2019年にはパリ近郊に酒蔵を創立。パリ5区にレストラン『WAKAZE PARIS』をオープンし、発酵を軸にした日本食と醸造所直送の生酒を提供し、日本酒文化を発信している。そしてそこからアメリカへ、輸出をスタートしたのときに出合ったのが、ヨーロッパとはまた全然違ったアメリカ市場だった。
「ハードセルツァーをはじめとしたRTD(Ready-to-Drink)、缶入りですぐ飲めるアルコール飲料がすごく来ている波を感じて、それを若い世代を中心に手軽に多くの人が楽しんでいる。そこに向けてぜひ発信していきたいなということで生まれたのが『SummerFall』なんです」
BBQやカジュアルパーティ、音楽フェスでの新たな選択肢としてもGood!
爽やかでナチュラル、スキッとした酸味もある「SummerFall」は、料理を選ばないのもいい。実際、現地ではハンバーガーやピッツァ、シーフードなどとも好相性でカジュアルに楽しまれているという。
缶入りショートサイズで持ち運びにもお手軽。これから夏に向けてBBQとかのアウトドアシーンやカジュアルパーティ、シーサイドや音楽フェスに持ち出してもいいだろう。「自由に、気軽に日本酒っていうものを楽しんでいただくきっかけになれば」(稲川さん)という狙いにピッタリだし、この選択肢、知っとかない手はない!
首都圏の『紀ノ国屋』、『イオンリカー』、『信濃屋』、東急百貨店など約100店舗から販売中。そして2025年3月4日から首都圏のファミリーマートから販売をスタートしているのでぜひお見逃しなく。日本酒の新たな起爆剤になるか、その点でもおおいに注目だ。
取材・文/池田一郎