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本を持ってふらりと心が上を向く場所へ『喫茶吉野』@北鎌倉

久しぶりにひとりで散歩に出る、ちょっと遅く起きた朝。風の匂いは春の兆しをたたえ、でも空気はまだ冷たい。思えば、なんてせわしない毎日を生きているのだろう。足は喫茶店へ向く。小さなカバンにお気に入りの本を忍ばせて。行きつけがあるのも憧れるし、ふらりと未知の扉を開けるのも楽しい。

北鎌倉で出合ったのは、温もりとエレガントさに包まれた店だった。アンティークランプの灯りの下で本を広げ、濃いブレンドコーヒーを啜る。

『喫茶吉野』サイフォン式のコーヒーは酸味がおだやかで太い味わい

ふと顔を上げると、柔らかな陽光と緑の気配、花瓶の花がやさしく微笑んでいた。今日は一日外出しないはずだったけど、「ああ、来てよかった」。そうして、再びページをめくってコーヒーを啜る。

コーヒーセット1100円(単品は、ブレンド650円、フルーツケーキ500円)

『喫茶吉野』コーヒーセット 1100円(単品は、ブレンド 650円、フルーツケーキ 500円) しっとりとしたドライフルーツのケーキには、干しブドウや微かなスパイスが潜む

とりとめのない、しかしやさしく幸せな時間。喫茶店でふぅっと落ち着くと、決まって心は上を向く。こんな風に休みの日を始められたなら、きっとまた、明日から頑張れる。

『喫茶吉野』オーナー 吉野文史男さん

オーナー:吉野文史男さん「両親が守ってきたこの空間と雰囲気を変わらず残したい」

クラシカルな中に品格が宿る、北鎌倉での憩い

創業は昭和55年、東慶寺の階段下に佇む喫茶店。大きな瓦屋根にレンガ壁の外観、店内は昭和の面影を美しくとどめ、いずれも和洋折衷のモダンな造りだ。北鎌倉で暮らした建築家・榛沢敏郎氏が手がけている。

『喫茶吉野』和洋モダンの落ち着いた雰囲気と、窓から陽光が注ぐサンルームの開放感が同居。布張りソファに恋をして、磨き込まれた床に惚れ惚れ

サイフォンで淹れるコーヒーは、フィンランドのアラビア社の陶器で供され、力強い味わい。そのコーヒーに合うようにと作られたドライフルーツのケーキとともに、開店当時から変わらぬスタイルで愛されている。

『喫茶吉野』凛とした佇まい

[住所]神奈川県鎌倉市山ノ内1379
[電話]0467-24-9245
[営業時間]10時~16時半(16時LO)
[休日]無休(※7月・12月は2週間の休業あり)
[交通]JR横須賀線北鎌倉駅西口から徒歩約3分
※3月以降はメニューの価格が変わる予定です

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おとなの週末Web編集部
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