使いやすくて適度な価格のコンパクトSUV市場には、各メーカーからヤリスクロスやヴェゼルなどの人気のモデルが投入されている。その中で、その個性的なデザインやコスパで注目されているのがスズキの「フロンクス」だ。このモデルの魅力について迫ろう!!
コンパクトサイズで使いやすいSUV
今はSUVの人気が高く、特にコンパクトな車種の販売が好調だ。2025年3月には、トヨタヤリスクロスが8540台、ホンダヴェゼルは8149台、トヨタライズは7399台、トヨタカローラクロスは7160台を登録した。
これらの車種ほどではないが、スズキのコンパクトSUV、フロンクスも堅調で2025年3月に2610台を登録した。スズキは国内で売られる4輪車の80%以上を軽自動車が占めており、小型車のブランドイメージは弱い。この点も踏まえると、3月に2610台であれば堅調だ。ホンダZR-VやトヨタRAV4と同等の販売実績になる。
フロンクスが堅調な背景には、複数の理由がある。まず全長が4mを下まわり、最小回転半径が4.8mに収まる運転しやすいサイズだ。フロンクスはインドで生産されるため、現地の税制で有利になるよう全長を短く抑えた。しかもSUVでありながら、全高を1550mmに抑えたから立体駐車場も使いやすい。
ボディが小さい割に車内は広く、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ分だ。4名で快適に乗車できる。インパネなどの内装も上質で、助手席の前側を見ると、上からブラック、シルバー、光沢のあるピアノブラック、ボルドー(深みのある赤)を使い分ける。
このように運転がしやすく、立体駐車場も使えて、居住性や内装の質も優れたコンパクトSUVはフロンクスだけだ。
1グレードだが装備充実で実質的に最上級グレード同等
フロンクスは車両重量が2WDなら1070kgと軽く、パワーユニットは直列4気筒1.5Lマイルドハイブリッドだから、WLTCモード燃費も19km/Lと優れている。e-POWERを搭載するコンパクトSUVの日産キックス2WDが23km/Lだから、フロンクスのマイルドハイブリッドは、燃料消費量をストロングハイブリッド並みに抑えた。
またボディが軽いため、フロンクスは1.5Lエンジンでも動力性能に余裕がある。
そしてグレードは1種類のみだが、装備を充実させ、実質的に最上級グレードの内容だ。衝突被害軽減ブレーキは設計の新しいデュアルセンサーブレーキサポートIIで、後方の並走車両を検知するブラインドスポットモニターも標準装着する。
運転支援機能の全車速追従型アダプティブクルーズコントロール、電動パーキングブレーキ、ヘッドアップディスプレイ、全方位モニター付きメモリーナビ&9インチディスプレイ、フルオートエアコン、前席シートヒーター、16インチアルミホイールなども標準装着する。かなり充実した内容だ。