×

気になるキーワードを入力してください

SNSで最新情報をチェック

観光客で賑わう浅草にひっそり佇む98年の歴史『珈琲ハトヤ』@浅草

何て控えめな佇まいのサンドイッチだろう。そっとつまめばその指先から伝わるふわふわ感。たった今焼きたての玉子焼きはほんのり温かく、ハムはやや辛子が効いたモダンな味付け。素直においしいなあと思う。正直な味だなあとも思う。

ミックスサンド650円、ブレンドコーヒー450円

『珈琲ハトヤ』(手前)ミックスサンド 650円 (奥)ブレンドコーヒー 450円 地元の老舗「ペリカン」のパンを使う。玉子焼きは塩コショウだけの味付け

ホットケーキだってそうだ。きつね色のてっぺんにバターがひとかけら、それだけ。店主の酒井さん夫妻は「特別な味じゃないんです」とクスッと笑うが、小麦粉は国産、焼くのは丁寧に銅板で1枚ずつ。サンドに使うマヨネーズも手作りだ。

大正時代は軒先でコーヒーや甘味を売り、資金を貯めて昭和2年に店を構えたそう。昔は向かいに劇場があり、浅草芸人や名だたる文士らも通った。そんな歴史ある店を受け継ぐ想いは?

「先代から教わった味をただ守りたくて」。

やっぱり控えめな、夫妻の尊い姿勢だ。

『珈琲ハトヤ』床もモダン。永井荷風やサトウハチローなど多くの著名人が店を贔屓にした

[店名]『珈琲ハトヤ』
[住所]東京都台東区浅草1-23-8
[電話]03-3844-5313
[営業時間]基本10時半~17時半(17時LO)※日によって変更あり
[休日]不定休
[交通]つくばエクスプレス浅草駅A出口から徒歩3分、地下鉄銀座線ほか浅草駅3番出口から徒歩8分

撮影/浅沼ノア(トリコロール本店、画廊喫茶ミロ)、西崎進也(珈琲亭ルアン、珈琲王城)、谷内啓樹(珈琲ハトヤ)、取材/肥田木奈々

2025年3月号

▶おとなの週末2025年6月号は「満喫!ニッポンの生ビール

『おとなの週末』2025年6月号

※2025年3月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

…つづく「東京の純喫茶「おやつ」6選! ボリュームがたっぷり過ぎるスイーツ」では、ボリュームたっぷりなおやつが揃う純喫茶を実食レポートしています。

icon-gallery
icon-prev 1 2 3 4 5
関連記事
あなたにおすすめ

この記事のライター

おとなの週末Web編集部
おとなの週末Web編集部

おとなの週末Web編集部

おとなの自動車保険

最新刊

2025年6月13日に発売される『おとなの週末』7月号の表紙を飾るのは、B’zの松本孝弘さんです。自…