野生の木の実や果物が菓子の始まり
和菓子というと、大福やおはぎなどの「生菓子」から、どら焼きや最中などの「半生菓子」、茶道で出される「干菓子」「主菓子」など、種類は豊富にあります。そんな和菓子には1000年を超える歴史があります。
食が充分ではなかった古代の人たちは、空腹を感じたときに野生の木の実や果物を採って食べていました。これが「果子」と呼ばれるものになったと考えられているそう。その後、木の実を天日で乾燥させ、石臼などで粉砕して保存するようになりました。さらにアクの強い木の実は、一度砕いて粉にしてから水に晒すことによりアクを抜き、団子状に丸め熱を加えるなどの加工をしました。それが「団子」の始まりといわれています。
そして、現在食べられている和菓子の多くは江戸時代に誕生したと言われています。戦乱が止み、世の中が平和になった江戸時代。人々の生活の中にも菓子を楽しむという余裕ができ菓子づくりにも力が注がれたといいます。京都の「京菓子」や江戸の「上菓子」、菓銘や意匠にも工夫を凝らした和菓子が次々に誕生したのもこの時代でした。繊細な職人技が作り出すその色や形を、まずは目で楽しみ、手にしたときにはその硬さややわらかさを感じ、口溶けやほのかな香りを食して楽しむ。まさに奥深い和菓子の世界を感じます。