旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■美しい
正解:シイラ
難易度:★★★★☆
時間が経つと色あせてきます
シイラはスズキ目シイラ科に属する回遊魚で、日本近海をはじめ、世界中の温暖な海域に分布しており、全長1~2mにも達する大型魚です。
沖縄ではシイラはおなじみの魚です。「マンビカー」という名で呼ばれ、スーパーや鮮魚店でも日常的に見かける食材のひとつです。
英語では「Mahi-mahi(マヒマヒ)」と呼ばれ、ハワイや米国西海岸では高級魚として扱われています。
体は縦長で非常に平たく、額が張り出した独特のシルエットをしています。
特筆すべきはその体色です。釣り上げた直後の体色は青緑から金色のグラデーションと、宝石のような美しさの色彩をもちます。
ところが、すぐに色あせてくすんでしまいます。この現象自体は多くの魚に見られるものですが、シイラの場合その変化が顕著で、生きていたときとのギャップが大きいことで知られています。
シイラは成長スピードが非常に速く、1年で1m近くまで成長し、繁殖力も旺盛です。そのため、資源としても比較的安定していると考えられています。
身は白身でクセがなく、やわらかめの食感。ほんのりとした甘みがあり、クセのない上品な味わいが特徴です。
ただし、とても傷みやすい魚のため、鮮度が落ちると水っぽく感じられることも。市場であまり見かけないのは、鮮度管理の難しさによるものです。
洋風・和風どちらの料理にもよく合う万能魚ですが、とくに代表的なのがムニエルです。バターで焼くことで水分が飛び、身がふっくら仕上がります。フライや唐揚げにすると独特のふわふわ食感が楽しめます。
シイラは、魚を味噌と島野菜で煮る沖縄の郷土料理「マンビカーのンブシー」にもよく使われます。