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今、焼酎が熱い。特に香り系など個性的な味わいの揃う芋焼酎が、居酒屋で家庭でと広く楽しまれている。なぜおいしくなったのか?なぜ個性的な味わいが生まれるのか?その理由を探るべく、鹿児島県南九州市の『高良酒造』を訪れた。南九州市川辺町。名水の湧く地で、昔ながらの甕壺仕込みで変わらぬ味わいを醸す、家族経営の小さな蔵だ。生産量は少ないが全国区の銘柄『八幡』は芋の風味豊かで幅のある味わい。無濾過タイプの期間限定酒『八幡ろかせず』も人気だ。

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変わらぬ味わいを届けるための手仕事『高良酒造』@南九州市

蔵の裏手の池の前に立つとおだやかな気持ちになる。湧き出ている水の音、背後にある飯倉山の緑が濃く、空にはぽっかりと雲が浮かぶ。

「この辺はちょうど盆地で水が豊富に湧きます。お米もおいしいですよ」。そう教えてくれたのは杜氏である父・高良武信さん。

南九州市川辺町は全国の名水百選に選ばれた名水の地。蔵の作業や焼酎の仕込み水などすべてに使われているのはその美しい水だ。

『高良酒造』シラス大地でろ過され水が裏庭に引かれ湧き出ている。手ですくって飲んでみると、やわらかく実においしい水だった

「特別なことは何もしてないんですよ。ただこの土地にあるもので、昔から同じように造っているだけです」

言葉数は少ないが、穏やかに誠実に話してくれる父と息子の武英さん。ああ、この土地とこの人たちからあの酒が生まれるのだなと思った。

『八幡』である。焼酎好きには説明の必要はないかも知れない。豊かな芋の風味と香ばしさ。そしてじわりと沁みてくるやさしい甘み。お湯割にすれば心がほぐれ、水割りでもロックでも味は崩れない。

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一つひとつの手間を惜しまない甕仕込みを守る
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おとなの週末編集部
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