全国のラーメンの名店が出店する「新横浜ラーメン博物館」(ラー博)は、年間80万人以上もの客が訪れる“ラーメンの聖地”です。横浜市の新横浜駅前にオープン後、2024年3月に30年の節目を迎えましたが、これまでに招致したラーメン店は50店以上、延べ入館者数は3000万人を超えます。岩岡洋志館長が、それら名店の「ラーメンと人が織りなす物語」を紡ぎました。それが、新刊『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』(講談社ビーシー/講談社)です。収録の中から、創業から70余年経つ今でも唯一無二の味わいのラーメンを提供する岩手県久慈市の「らーめんの千草」を紹介します。
ふるさとラーメン=その土地のソウルフード
「らーめんの千草」の創業は1948年。創業から70余年がたっているにもかかわらず、岩手県久慈市内には、同様のラーメンを出すお店は1軒もありません。しかし、久慈市民で知らない人がいないほどのソウルフードとなっており、お盆や正月などの時期は帰省する地元出身の人たちでごった返します。
私は、その味を誰もまねできなかったのではないか、と思っております。だから、いわゆる“ご当地ラーメン”ではないのです。ご当地ラーメンは、その地域に繁盛した店があり、そこから独立した店や、模倣した店が自然に増え、長い年月を経てその地に定着したラーメン文化です。
対して、「らーめんの千草」のような店を私たちは「ふるさとラーメン」と定義しました。
今でこそ加える素材は「鶏と水」といったラーメンジャンルも現われていますが、「らーめんの千草」のラーメンも「鶏と水」だけの純鶏スープ。創業当時にこのスープを確立していたというのは、本当にすごいことです。
【「らーめんの千草」過去のラー博出店期間】
・ラー博初出店:2004年3月3日~2005年11月30日
・「あの銘店をもう一度」出店:2024年3月6日~2024年4月7日
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¥4,380(税込)
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¥5,400(税込)
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¥5,100(税込)
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¥5,280(税込)