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あまりの繁盛でスープ切れが続き……

「らーめんの千草」の味は、現在三代目へと引き継がれています。1966年、二代目となる遠藤勝さんが「千草食堂」で働き始めます。その後、勝さんは服部料理専門学校卒業後、東京都内のレストランで修業もします。けれど、「岩手で一番になりたい……」という思いのもと、再び「千草食堂」で働き始めます。

「らーめんの千草」として父の味を発展させた二代目の遠藤勝さん

勝さんはラーメン作りに没頭し、さらに「千草食堂」は繁盛店となり、久慈では“ラーメンといえば、千草のこと”というくらい、地元では知らない人がいない有名店になりました。

かつては18時まで営業していたのですが、あまりにも繁盛し、毎日スープ切れが続ようになりました。そのため、1986年、「千草食堂」から現在の屋号である「らーめんの千草」に変更した際に、営業時間も15時までとなりました。そして三代目となる遠藤圭介さんが、1998年頃から店に出るようになり、現在に至ります。

ラーメンの丼ぶり1杯に丸鶏半羽分

「らーめんの千草」のスープに使われているのは丸鶏と鶏ガラのみ。ネギ、ショウガ、ニンニクといった香味野菜さえ一切使用しない純粋鶏スープ。決め手は、使用する鶏にあります。一般的には、生後45~55日で出荷されるブロイラーが使用されますが、「らーめんの千草」では、生後550~700日で出荷される青森県産大型鶏を使用しています。生産量が少ないそうですが、飼育日数が長いため余分な肉がつかず、赤身が多いのが特徴。ブロイラーに比べ旨み成分は約1・5倍も含まれています。

ガラ煮込み。「ラーメン千草」では、生後550~700日で出荷される青森県産大型鶏を使用

そんな丸鶏の肉とガラを別々の寸胴鍋で炊き、濁らないよう“微笑むような火加減”でじっくり煮込み、最後にそれぞれの鍋をブレンドします。スープに使用される丸鶏の量はラーメンの丼ぶり1杯に、なんと約0・5羽分=半羽の鶏が使用されているのです。

丸鶏の肉とガラを別々の寸胴鍋で炊き、濁らないように“微笑むような火加減”でじっくり煮込み濾す

鶏の旨みが凝縮したスープは、どこか懐かしく、優しい香りがします。そしてスープの表面には、キラキラと光る黄金色―。浮き上がる鶏油(チーユ)は、大型鶏でしか味わえないコクがあります。

鶏油(チーユ)が浮き上がり、黄金色に輝くスープ。鶏の旨みが凝縮し、懐かしくも優しい味わい
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ラー博30周年では初代の味を三代目が復活
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おとなの週末Web編集部
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