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「シェフのお任せコース」に感動

そして、いよいよお楽しみの夕食。持ち込みやBBQもできるが、いちおしは「シェフのお任せコース」(1名6800円、2名から可)。実家がフレンチレストランだったことから、10代から料理の世界に入ったという、オーナーの鈴木さん。この宿では駿河湾の新鮮な魚介類や近隣の山の幸を生かした、独自のフュージョン料理を味わうことができる。

パリッとした皮目の「スズキのポワレ ブールブランソース」

特に感激したのは「スモークサーモンとトマトのガスパチョ仕立て」。トマトやビネガーの酸味が効いたさっぱりとした味わいのガスパチョ(トマトをメインにした冷製スープ)に、濃厚なスモークサーモンが絶妙に調和。軽く炙った香ばしいカリフラワーや、サクサクとしたチュイール(薄焼きクッキー)の食感も程よくアクセントになっている。暑さで火照った体にじんと染み渡るおいしさだ。

彩り鮮やかな「スモークサーモンとトマトのガスパチョ仕立て」

「アナゴとナスのパートフィロ包み」も記憶に残る逸品! ふっくらとしたアナゴと、とろりとした食感のとろなすをパリパリの生地で包んだこちらは、食感のコントラストがたまらないメニュー。添えられたクリームには、カレーオイルがプラスされており、夏らしさに加え、エキゾチックな味わいも楽しめる。

隠し味の効いた「アナゴとナスのパートフィロ包み」

「子連れの方には、パジャマでフルコースを食べれるのが嬉しいと声をいただくこともあります」

実は鈴木さん自身、オクシズに訪れるまではカナダに住んでいたそうだ。お子さんが生まれてからこの地に移住し、開業することを決めた。

「18歳の頃から料理の世界に入り、日本のビストロやフレンチレストランで経験を積んだ後、旅好きが講じて世界旅行に出ました。その後、妻とカナダで出会い、結婚して日本料理の店も数年経験しました。子どもが生まれ、その後も料理人を続けたかったのですが、深夜残業が多い業界ということもあって、家事・育児は妻に負担がかかりがちでした。僕にとっては、仕事を続けながらも家族を大切にできる環境に身を置くことは重要で。オクシズを友人に紹介して貰った時に、自然豊かな景色が気に入り、1日1組の宿を営みながら、近隣に家族と住み、レストランのような料理を提供していくことを決意しました」

そんなオーナーの考えは功を奏し、オープンからわずか3か月で宿の稼働率は80%を超えた。インバウンド(訪日外国人客)に人気の東京と京都の通り道にあること、日本らしい家屋を生かした宿であること、英語対応が行えることから、海外からのゲストも多く予約が取れない月も少なくない。

日本のフレンチとカナダの日本料理店で経験を積んだオーナー・鈴木さん

思わず笑みがこぼれる、朝食はいちばんのご馳走

そして決め手は、自慢の朝食だ。ほろほろとした食感がたまらない「豚の角煮とマッシュポテト」や、静岡名産の桜エビの風味が際立つ「桜エビと豆腐の味噌汁」、コクのある「アサリと味噌のクリーム」など、和食に洋の技術を掛け合わせたメニューがずらりと並び、朝からお腹も心も満たされる。

『B&Bイタダキ』自慢の朝食
ご飯はあさりとかつおだし、削りたての鰹や薬味をプラスし、途中から贅沢なお茶漬けとして楽しめる
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中村友美
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