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総合スナックメーカー『湖池屋』の “幻のジャガイモ”を使った「今金男しゃくポテトチップス」が2025年、10周年を迎えた。年に1度だけオンラインショップで発売される限定商品。湖池屋オンラインショップでは5つ星のところ4.7という高評価が付けられるほどの人気だ。9月に行われたお披露目会で試食した結果、その美味しさが忘れられず、ライターも自腹で購入した。ちょい贅沢でスペシャルなポテトチップスをご紹介する。

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流通量0.4%以下のレアな「今金男しゃく」

北海道の今金(いまかね)町で作られている「今金男しゃく」をご存じだろうか。今金町は札幌から車で約3時間半の道南エリアに位置する人口4300人ほどの町。昼夜の寒暖差が大きい内陸性気候のため、ジャガイモにでんぷん量が多く含まれやすい生育環境なのだそう。「今金男しゃく」はでんぷん含有量の値である「ライマン価」の基準を13.5%以上としており、甘みがあってホクホクとしているのが特長だ。

「今金男しゃく」は日本全国で生産されるジャガイモの中でわずか0.4%以下という流通量で“幻のジャガイモ”と呼ばれている。強いこだわりを持って栽培され、味わいの良さも相まってブランディング化に成功し、他のジャガイモより2割以上高値で取引され、トップブランドとして君臨している。メインの取り扱い先は東京や神奈川といった首都圏のデパートなどだ。

イベントでは「今金男しゃく」のじゃがバターをいただけた

北海道で3番目のGI認証、「名産品を消えさせない」

近年は地球温暖化の影響などで、北海道でもこれまで通りの品種の栽培は難しくなってきているのだそう。品種改良が進められていて収量の多い品種栽培が増える中、「今金男しゃく」のような手間がかかるイモは生産量が減っている。

そんな中で「今金男しゃく」は2019年、伝統的な生産方法や気候・風土・土地などの生産地等の特性が、品質等の特性に結びつく「地理的表示(Geographical Indication)保護制度」の登録産品に認証されている。GIはこれら産品の名称を知的財産として登録し保護する制度。「今金男しゃく」は、北海道の農産物では「夕張メロン」、「十勝川西長いも」に続き、3番目に登録された。

「今金町では作付けする男爵の品種を一本化し、原種、採種、食用を作る農家がそれぞれ専門にいて栽培していて、良質な種子づくりから行っています。栽培期間中は生産者団体による生育検査を実施したり、厳格な選別や収穫後の品質保持や産地証明を行ったりと、こだわりを持って生産しています。GI認証をいただいたこの名産品を消えさせるわけにはいきません」と話すのは、今金町農業協同組合の代表理事組合長・小田島親守さんだ。

「今金男しゃく」の作付面積は約340haで収穫量は1万トン程度。栽培に手間がかかることもあり、これ以上生産量を増やすことができないのだそう。

今金町でも農業従事者数は減っていて、現在は220軒ほどで町の人口の1/3以下なんだとか。今金町のJAでも農家さんの手間を少しでも省くために、掘り取ってすぐに農協の倉庫で風乾貯蔵できるような仕組み作りを国からの補助金を充てて進めている。

ただし、今金町ではUターンして祖父から農業を引き継いだ兄弟など、新規就農する若い方も出てきていて、誇りを持って「今金男しゃく」を作っていると聞いて、応援していきたいと思った。

今金男しゃく。今年は少し小玉なのだとか

9月から10月にかけて収穫期を迎える「今金男しゃく」

「今年は雨の影響で作付が2週間ほど遅れてしまいましたが、9月から10月にかけて収穫期を迎えています。出荷のピークは11月頃で、1月中くらいまでは市場に送っています」と小田島さん。

ライターのワタクシ、「今金男しゃく」はこれまでデパートなどでそのトリコロール色の箱を見てはワクワクし、何度か購入済み。ただし、うかうかしていると店頭からなくなっているという失態を繰り返してきた。もちろん今はネットでも買えるけれど、箱で5kgとか10kg入りなので食べきれる自信がないから、流通のタイミングがわかっただけでもありがたい。

北海道今金町のジャガイモ畑
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湖池屋の60年超のポテチ作りのプライドと技術を集結
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市村 幸妙
市村 幸妙

市村 幸妙

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