全店実食調査!『おとなの週末』が自信を持っておすすめするお店をご紹介します。今回は、東京・御茶ノ水の書店『再燈社書店』です。店内には、書籍だけでなく和紙の御朱印帳や桧垣(ひがき)紋の栞などの商品も並びます。
紙の文化に火を燈す存在でありたい
紙の文化に再び火を燈す――店名には、店主・中村達男さんの覚悟のようなものが込められているのだと思う。
中村達男さんは、江戸時代から先祖代々、紙を商ってきた老舗の7代目。
「ペーパーレス化が進む中で、ひとりでも多くの人が紙に触れることができる場所を作りたいと思ったんです」と、紙ものである書籍と、文具などの紙製品を扱う『再燈社書店』を立ち上げた。
場所は神田明神のすぐそば。紙と神で“かみ”繋がり、日本の伝統文化に触れるという共通点もあり、これも神のお導きか?
そう思えるほど、なんだかこの場所はしっくりくる。店の内外には桧垣(ひがき)紋様がそこここに。天井からは越前の職人さんが手漉きしたという大判の和紙が下げられ、本棚の仕切りを担っていた。
選書もまた個性が光る。紙に関する本、そこから派生して、折り紙などのペーパークラフト、手紙や文字の書き方、日本の色や言葉にまつわる書籍……加えて、中村達男さんが「現実の世界を切り取った本が好き」なせいか、本屋や喫茶店探訪、散歩本なども手厚い。
店は3年目。当初、書店業務はもちろん初めての経験だった。紙商いで以前から付き合いのあった日販に相談すると共感を得て、本の仕入れが実現。今では約2千冊を揃える。
窓際の棚の一角に目を奪われていると、「ここは装丁の美しい本を揃えました。製本技術に触れてもらえますし、贈答にもいいですよ」と中村達男さん。
なるほど、思わず手に取りたくなる。楽しい工夫だ。平台に並ぶミニカードと封筒は、好きな柄と色を組み合わせて箱に詰めるオリジナル商品 “はこか”として評判も上々。レジ横には日本の様々な紙で仕立てた栞がざっと40種。
紙の歴史と燈火が紡がれていく。
【owner’s recommend】『日本の小さな本屋さん』和氣正幸著
「日本全国の小さくも魅力的な本屋さんが紹介されています。書店を営むそれぞれの方にそれぞれの想いがあるんだな、と。今の店を始める前、あれこれ考えていた時に手にして、踏み出すきっかけにもなりました」(中村達男さん)
御茶ノ水『再燈社書店』
[店名]『再燈社書店』
[住所]東京都文京区湯島1-2-12ライオンズプラザ御茶ノ水1階
[電話]なし
[営業時間]11時~17時
[休日]月毎に変動あり、詳細はhpもしくはinstagramを参照
[HP]https://saitousha-bookstore.com/
[交通]JR総武線ほか御茶ノ水駅聖橋口から徒歩6分
※画像ギャラリーでは、和柄が美しい蛇腹付箋の画像がご覧いただけます。
■おとなの週末2026年1月号は「もう迷わない!東京駅ランキング」

撮影/浅沼ノア、取材/飯田かおる
※月刊情報誌『おとなの週末』2025年10月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。









