ロンドンで彬子女王が堪能された「山形・京都・香川風」の三種のお雑煮
その年、英国のロンドンで彬子女王が召し上がったのは、なんと日本各地の名物お雑煮であった。ロンドンでなぜそんな幸運に恵まれたのだろう。
投宿先のご主人の出身地は山形であり、奥さまは京都育ち。それぞれの実家のお雑煮にこだわりがあったから、両方作ってくれたのだ。
山形のお雑煮はずいき入りのお澄まし。京都は白味噌仕立てである。さらに、奥さまの祖母の実家である香川風のお雑煮まで登場した。香川風は白味噌仕立ての汁にあんこ餅を入れたお雑煮で、甘じょっぱい味が彬子女王はお気に召したという。彬子女王は、おなかいっぱい日本各地のおいしいお雑煮を召し上がって大満足である。
日本にいるとき、彬子女王は1月1日の新年祝賀のための宮殿でのご挨拶から2日の一般参賀と続き、その後もさまざまなご用事に追われて慌ただしい日々を送る。そんななか、思いがけなく留学先の英国で、生まれて初めてのんびりしたお正月を過ごされた彬子さまであった。(連載「天皇家の食卓」第48回)
※トップ画像は、(C)JMPA
参考文献:『赤と青のガウン オックスフォード留学記』(彬子女王著、PHP文庫)、『宮中歳時記』(入江相政編、小学館文庫)
文/高木香織
たかぎ・かおり。出版社勤務を経て編集・文筆業。皇室や王室の本を多く手掛ける。書籍の編集・編集協力に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』『美智子さまから眞子さま佳子さまへ プリンセスの育て方』(ともにこう書房)、『美智子さまに学ぶエレガンス』(学研プラス)、『美智子さま あの日あのとき』、『日めくり31日カレンダー 永遠に伝えたい美智子さまのお心』『ローマ法王の言葉』(すべて講談社)、『美智子さま いのちの旅―未来へー』(講談社ビーシー/講談社)など。著書に『後期高齢者医療がよくわかる』(共著/リヨン社)、『ママが守る! 家庭の新型インフルエンザ対策』(講談社)。
