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目指したのはBMW6シリーズのようなデザイン

初代、2代目がシャープな直線的なデザインだったのに対し、3代目は直線らしいものは存在せず丸みを帯びたデザインで登場。エレガントではあるがスポーティさは感じられず、全長4800×全幅1790×全高1340mmと初代、2代目に対してかなりの大型化。確かに伸びやかで迫力はあったが、「これじゃない」感満載だったのだ。

デザインを担当したのは前衛的なデザインをすることで有名なトヨタの北米のデザイン基地であるCALTY。チーフエンジニアは初代、2代目が岡田稔弘氏で、3代目は高橋清八氏にチェンジしていた。3代目ソアラのデビュー直後に自動車雑誌『ベストカー』で高橋チーフエンジニアにインタビューしているが、デザインに対して、「シリーズ全体としては6シリーズ(BMW)のようなエレガントさを持ったクーペで、それをもっとリフアインしたクルマというイメージ。4L搭載モデルは635のような落ち着きのある、そして2.5LはM6やCSLなどのイメージ、V8と直6でイメージを分けたいなと思いました」とコメントしていた。

1980年代後半で世界で最も美しいクーペの一台と誉れ高いBMW635CIi

ブタ鼻デザインが大不評

丸みを帯びた3代目ソアラのデザインは、一部の間では『鏡餅』と揶揄されていたが、最も不評だったのがフロントマスクで、グリルレスでヘッドライト間に設けられた『ブタ鼻』と言われた補助灯が評判悪かった。初代、2代目はシャープでキリリとした顔がソアラのアイデンティティと思っていた人たちにとってはガッカリ以外何物でもなかった。

否定的な意見の多かったブタ鼻のような補助灯。グリルレスゆえブタ鼻がないと間抜けになるので痛しかゆし

3代目ソアラは1996年のマイチェンでフロントに小型グリルが装着され初期型よりも顔は引き締まったが、劇的に印象を変えるほどではなかった。

ちなみにほぼ同時期にグリルレスでヘッドライト間に補助等を配置した2台、ホンダCR-Xデルソル、オートザムクレフともフロントマスクは不評だった。ブタ鼻はクルマのデザインにおいて鬼門で、2代目アリストがウケたくらいだと記憶している。

どことなくソアラにも似ているCR-Xデルソル。デザイン以上にコンセプトチェンジが苦戦の要因

ドメスティックカーからグローバルカーへの転身

ガラリと変わった3代目ソアラに対し、驚きというよりも落胆したクルマ好きは多く、拒否反応を示す人さえいた。純和風のデザインからグローバルで通用するデザインを目指した3代目ソアラ。それは、1989年にLS400とともに北米で旗揚げしたレクサスブランドが絡んでくる。

世界の高級車マーケットに影響を与えた初代レクサスLS400&セルシオ

3代目ソアラはレクサスブランド初のクーペモデル、SC400として開発されたものを日本ではソアラとして販売。レクサスLS400を日本でセルシオとして販売したのと同じだ。初代、2代目とも『世界に通用するグランツーリスモ』が開発テーマだったこともあり、北米などへ輸出する前提で開発されながらトヨタの言うところの諸般の事情によりドメスティックカーになったというが(高橋氏が証言しているので間違いない)、3代目にしてドメスティックカーのソアラがグローバルカーへと転身したのだ。

SC400はエンブレムがソアラのグリフォンからレクサスのLマークに変更される
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アメリカ人好みのデザインは日本でウケない
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市原 信幸
市原 信幸

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