壁に天井に絵画がズラリ…地下に出現した異空間『エルグレコ』@青山一丁目
吸い込まれるような青空が描かれた天井画に、ここが地下にあることを一瞬、忘れてしまう。半世紀前に建てられたオフィスビルとともに誕生した『エルグレコ』。17世紀の著名な画家の名をとったこの喫茶店には、若き日の小松崎邦夫の大作や海外のステンドガラスがそこかしこに飾られている。
アンティークの椅子に腰かければ、どこかヨーロッパの貴族のお屋敷にでも招かれた気分だ。けれど手元のメニューは実に庶民的。モーニングセットは630円、ランチセットも千円程度、朝珈琲が380円とお屋敷の敷居が低すぎる。
人気のカレーは「実家のお母さん」を思い出すなんとも懐かしい味だ。
グレコのカレーライス・ランチセット1080円(ドリンク・サラダ付き)
青山一丁目といえばブティックが並ぶ表参道が目と鼻の先だが、「どちらかといえばここは新橋のサラリーマン文化。働く人が気軽に立ち寄れる店を目指しています」と店長の雨宮虹介さん。
ただレトロなだけではない、アンバランスさが妙に心地いい不思議な店だ。
[店名]『エルグレコ』
[住所]東京都港区南青山1-1-1新青山ビル東館地下1階
[電話]03-3475-1733
[営業時間]8時〜20時、土:12時〜18時半、祝:11時半〜17時半
[休日]日
[交通]地下鉄銀座線ほか青山一丁目駅4番出口から直結
至福の一杯を世界中の名窯のカップで『茶亭 羽當(はとう)』@渋谷
渋谷駅からすぐの路地に佇む『茶亭 羽當』。ブルーボトルコーヒーの創業者にも愛されるこちらの原点は、茶道のおもてなしの心にある。落ち着きある店内には数々の季節の花があり、一枚板のカウンターの奥には棚一杯、びっしりと並ぶカップの数々。700客はあると、創業時から店に立つ寺島さんは笑う。
「お客様がこのカップなら喜ぶだろうな」という気持ちで揃えたものだ。それらの中から、その人にあったカップを選んでくれるのも楽しい。
ほどなく、私の元にはハンガリーの名窯「ヘレンド」のシノワズリのカップに注がれたコーヒーがそっと置かれた。豆を25gと贅沢に使い、粗く挽くことで、雑味の少ない部分を抽出したコーヒーは香り高くすっきりした味わい。
羽當オリジナルブレンド1000円、自家製シフォンケーキ(メープル)750円
憧れの名陶が並ぶ空間で、絶え間なく湯気をあげるポットの音や無駄のないスタッフの動きにも癒される。どんな年代の人も受け入れる、茶室のように懐の深い「羽當」での一服を楽しみたい。
[店名]『茶亭 羽當(はとう)』
[住所]東京都渋谷区渋谷1-15-19
[電話]03-3400-9088
[営業時間]11時~23時(22時LO)
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか渋谷駅東口から徒歩3分
撮影/小澤晶子(物豆奇、旧尾崎テオドラ邸、縁側カフェ)、松田麻樹(アール座読書館)、大西陽(エルグレコ)、西崎進也(羽當)、取材/菜々山いく子(物豆奇、アール座読書館、旧尾崎テオドラ邸、縁側カフェ)、白石あづさ(エルグレコ)、井上優(羽當)
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※月刊情報誌『おとなの週末』2026年4月号発売時点の情報です。
■おとなの週末2026年6月号は「ビールは旅。」

































