昭和の高度成長期に、その数は全国に100軒以上。『若者たち』が集い『青春時代』を謳歌したスポット。それが「歌声喫茶」。だが歌声喫茶は過去の物ではない。そんな風に思ってたなら『ろくでなし』。令和の今、そのエネルギーは凝縮され、更なる盛り上がりだった!!
歌声喫茶の今を体験
「そもそも歌声喫茶って何?」って人も多いだろう。歌声喫茶の掛け値なしの聖地『歌声喫茶ともしび』に行ってわかった。とにかくイイ所だった!
「そういうことじゃなくてシステムとかはどうなの?」そう思う人もいるだろうが、そんなことより、この記事でなにより伝えたいのは、「とにかくイイ所だった!」の一文に尽きるのだ。
じゃシステムが何か?といえば、昼の営業では30分のステージが15分の休憩を挟んで3回、夜の営業では40分のステージが20分の休憩を挟んで5回行われる喫茶店……というか、夜はほぼ居酒屋。
そして重要なのは、そのステージって何?である。
お客さんが卓上の歌集(曲数800以上)から選んでリクエストした曲を、お店のスタッフである司会者が選び、ピアノやアコーディオンの生演奏でスタッフが歌う。
その時!客はステージに駆けつけ一緒に歌ってもいいし、席に座って口ずさんでもいいし、ただコーヒー飲みつつ聴いているだけでもいい。
実をいうと、勝手なイメージでお客全員で合唱を強制させられるのでは?と思っていたのだが、そんなことはない。歌声喫茶って自由な空間だった。それがイイ!
私といえば、入店して最初の曲。アイルランドの歌だという『私の愛した街』を、ただ聴いてただけで、その歌詞に早くもジンときた。同行した編集の戎氏も、「なにか温かい気持ちに……」と感慨深げである。
それどころか『学生街の喫茶』では知らず知らずに♪ボッブ・ディラ~ン~♪と口ずさみ、『襟裳岬』で♪春ゥですゥ♪と唸ってる自分がいた。
曲のジャンルは、世界の民謡にフォークソングに歌謡曲、シャンソン、カンツォーネ、映画音楽と全方位。歌詞は歌集にも載ってるし、店内のモニターにも映し出されるので、気付くと歌ってるのだ。
ステージが進むに連れ、店内の歌声は徐々に大きくなっていく。その歌っている一人ひとりの感情というか情熱が、ひとつのハーモニーとなって集約され、大きなエネルギーの塊となり歌声喫茶全体で燃え上がるようなそのカタルシス!!
特に取材時。『レ・ミゼラブル』の『民衆の歌』をスタッフ、お客全員が総立ち状態で歌った時は全身に鳥肌立った。『おとなの週末』全読者にも、この歌が♪聞こえるか♪と、叫びたいくらいだった。
いや~、若い頃に通っていた世代だけではなく、今まで知らなかった世代にこそ、ぜひ一度足を運んでほしい。だって歌声喫茶、飲食店の営業形態というより、これはヒトツの偉大な文化だよ。
高田馬場『歌声喫茶ともしび』
[店名]『歌声喫茶 ともしび』
[住所]東京都新宿区高田馬場2-14-9・アティレビル1階
[電話]03-6233-8381
[営業時間]水〜金:14時〜16時20分、火〜土:16時40分〜22時、日:16時〜21時20分
[休日]月
[交通]JR山手線ほか高田馬場駅早稲田口から徒歩3分
取材・撮影/カーツさとう
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
※画像ギャラリーでは、歌声喫茶ともしびの画像をご覧いただけます
※月刊情報誌『おとなの週末』2026年4月号発売時点の情報です。
■おとなの週末2026年6月号は「ビールは旅。」












