松江の水辺と名所を往く…時とともに表情を変え、しっとり美しい水の都
松江を訪れた翌朝、朝ご飯をいただいて「いいな」と思った。何がかと言うと、飯粒としじみ汁が旨い。これに加えて島根は酒どころ。夜はその燗酒もよし。うなぎとともにそれらも合わせて堪能することを激しく推奨したい。島根は隠れた米どころで、特に奥出雲の「仁多米」は「東の魚沼、西の仁多」と評されている。
そして早朝、宍道湖にはいく艘もの船が出てしじみ漁をしているのが見える。大粒で肉厚、ふっくらと丸みを帯びた汽水湖ならではのしじみは、旨み成分が抜群に濃いぃのだ。少しくらい深酒してもこれで翌朝すっきり、よくできた循環である。
さて、水の都、松江だ。時間があればまず市役所6階の展望テラスに立ち寄るのをおすすめしたい。キラキラと光を反射する宍道湖の広がりが一望のもと。遠景の山並みとも相まってこの地の空気感が気持ちよく感じられる。
さらには夕景。東岸には「とるぱ」という鑑賞スポットもあるのだが、宍道湖の夕陽は日本の夕陽百選にも選ばれている。空と湖面が次第に茜色に染まり、背景がシルエットとなる。いつもと違う時間軸に吸い込まれるようなマジックアワーだ。
そして松江といえば忘れてはならないのが、国宝「松江城」。関ヶ原の戦い後、慶長期に築城された天守は現存する12天守のひとつである。堅牢にして力強い外観もだが、内部の柱や梁、鉄砲狭間などを備えた実戦本位、質実剛健な構えは見どころ満載だ。
そして城を囲むお堀を遊覧船でぐるっと巡ることができる。屋根付きの小船で約50分。船上からは城下町らしい風情や森の自然、この街のしっとりとした情緒が実感できる。
今回取材は叶わなかったが、城下町風情が残る町の一角に、素朴な佇まいを見せる『うなぎY』でもうな重をいただいた。
『うなぎY』うな重
付けダレの味がさらりと上品で、皮目から香ばしく焼かれたうなぎの旨みがよく感じられる。炊き立ての白飯とは別盛りでバウンドさせながらいただく。食べ進むほどにしみじみ旨い。地元民に愛され続けている味なんだろうなと思った。





