この夏、大阪府に新たな“地域の居場所”が誕生する。8月6日から営業開始するのは『ハムと本と、』。いったいどんな店なのか。
石橋地域にオープンするのは”本屋×ハム屋” 8月6日~
コロナ禍以降の不登校の増加、部活の地域移行、単身世帯の増加など、地域の居場所不足が社会問題となっている、と言うのは一般社団法人の「いしばしコモンズ」。10年以上にわたり石橋(大阪府池田市)で地域活動に取り組んできた同団体は、現在まで大学、商店街、行政、地域の小中学校などと連携しながら、子どもから高齢者、障がいのある人、留学生まで多様な人が集う場をつくってきたという。
そういった背景から「困ったらここへ行こう」「いろんな人が普通に一緒にいる」と思えるような地域の場所を育てるため、石橋商店街近くに新たな拠点『ハムと本と、』をオープンすることになった。
同店は築100年の古民家を改修し、1階にハム屋と本屋、2階にイベント・貸スペースを設けた。ランチついでに本を探したり、本を見に来たついでに立ち飲みで一杯、といったことができる場所だ。2階のスペースは、トークイベントや子ども向けの場所としても活用するといい、活気のある場所になりそうだ。
飲食を担当するのは、2025年に石橋地域でハム工房を開業した『ハム横山』だ。フランス・バスク地方で2年間シャルキュトリーづくりを学び、日本の食材を生かしたハムやソーセージを製造している。20年以上飲食業に携わる中で、ダウン症の息子の誕生をきっかけに、障がいのある人も安心して働ける場所をつくりたいと考え『ハム横山』を開業した。勤労支援を兼ねた食のイベントを続けているという。
書店は『まがり書房』と『書店 てんてん堂』だ。
『まがり書房』は池田市で10年以上営業している書店で、大切に選び続けてきた新しい本、古い本、大人の本、子どもの本、リトルプレスなど幅広い本を扱ってきた。20年間で全国の書店が約6割減少している中、同店も閉店の危機に際し今後はイベント出店でやっていこうとしていたそう。そこでこのプロジェクトの話があり、隣駅から石橋へ拠点を移し、これまでの歩みを大切にしながら、新たな『まがり書房』として誕生する。
『書店 てんてん堂』は、「ツレがうつになりまして。」で知られる漫画家・細川貂々氏が『ハムと本と、』の一角に開く、自身の著書を中心とした小さな書店だ。近年は「こころってなんだろう」(講談社)など子ども向けの絵本や臨床心理士との共著などがある。
地域の文化や学びを支える「まちの本屋」は失われつつあり、大阪大学のキャンパスがある石橋地域でも、本屋が閉店し新刊書店はゼロになった。「いしばしコモンズ」は、本屋はただ本を売る場所ではなく、人や地域の情報が集まり、用事がなくても立ち寄れる居場所であると考えており、減少傾向にある今、書店を選択した。
さまざまな背景を持つ人々がいつでも自由に集まれる地域の居場所を目指す『ハムと本と、』。この店が、自分らしくあれる場所の1つになるかもしれない。
ハムと本と、/ HAM to HON to
開店日:2026年8月6日(木)
営業時間:木曜〜日曜の12:00 〜 22:00、月曜12:00〜19:00
定休日:火・水曜
※8月1日はオープニングデーとしてイベント開催
内容:ハム試食プレートの販売、書籍販売、ボードゲーム体験会のほか、施設紹介ツアーやミニトークを随時開催
日時::2026年8月1日(土)10:00~17:00


