手のひらより小さな葉っぱの上に広がるのは、緻密に刻まれた動物たちの温かな物語。「見るだけで優しい気持ちになれる」「心に沁みて思わず涙がこぼれる」……と、言葉の壁も超えて世界各国で感動を呼び、ファンを生んでいるリト@葉っぱ切り絵さん(以下、リトさん)の作品。その唯一無二の世界は、どうやって生まれたのでしょう? リトさんの道のりを葉っぱ切り絵アートとともに辿ります。
怒られっぱなしの会社員からのスタート
「絵の勉強をされていたんですか?」「小さい頃から絵を描くのが得意だったんですか?」とよく聞かれるというリトさん。けれど答えはいつも「NO」。
リトさんはもともとは寿司チェーンで働く会社員でした。けれど、複数の業務を同時にこなすことや臨機応変な対応が苦手で、要領の悪さや作業の遅さから上司に怒られてばかりの日々。学生時代までは「ごく普通の平凡な人間」だと思っていたのに、社会人になった途端「ダメ人間」になってしまったようで、「自分はなぜこんなにも仕事ができないのだろう」と悩み、自分を責める毎日でした。
転機が訪れたのは2社転職し、30代に入った2018年のことです。生きづらさに疑問を感じて病院を受診したところ、発達障害の一種であるADHD(注意欠如・多動症)と診断されました。不器用さの原因が判明して肩の荷が下りたリトさんは、「自分に合う生き方を探そう」と会社を辞める決断をします。







