本誌スタッフが「未来に遺したいひと皿」をセレクト。本誌・Webの連載陣が、思い思いの料理を挙げました。今回は、ライター・渡辺高編。日頃ご愛読いただいているみなさま、そして本誌が歩んできた25年の間に生まれたお店に感謝を込めてお届けします。
『おとなの週末』ライター:渡辺高
グルメを気取るつもりはない。が、自分、おいしいものは知ってるっス。なぜなら”おいしい”の基準は各自の中に必ずあるものだから。「未来に遺したい味」とは、自分のおいしさセンサーがビビビッと素直に鳴って、かつ子や孫にも体験させたくなる味の文化だと思う。
米作りから手塩にかけた究極の安らぎ飯『酒と肴 ててて』@荻窪
流行りとは関係なく、しみじみ旨い日本酒を厳選する『酒と肴 ててて』。それぞれに料理の道で研鑽を重ねてきた中田夫妻が競演する旬の肴も見事だ。酔い心地の幸せな時間は、〆の食事で大団円となる。
成美さんの「塩むすび」は安らぎと共に締めくくりたい気分にぴったりの神オブ〆だ。米は成美さんの秋田市の実家でお父さんが栽培したあきたこまち。長崎の海塩を手にまぶし、ほっくり結ぶ。
塩むすびぬか漬付450円

有明の寿司海苔を巻いて頬張れば、ほろりとほぐれてモチッ。銀シャリの旨みが広がって、豊かな香りが鼻を抜ける。成美パパの米は、某三ツ星店でもブラインドテストを経て採用され続けている。内緒だよ。
取材した福島・いわきのフランス料理店『HAGI』には、感動のあまり家族で再訪した。萩春朋シェフは多彩な調理技法を駆使して世界で活躍した後、とれたての魚や野菜にシンプルな仕事を施す境地に至った。
「巻き戻しのきかない”鮮度”は最高のごちそう」と話す。産地ならではの、朝獲れのメヒカリの薪焼きの旨さと言ったら、もう!
『HAGI』メヒカリの薪焼き(おまかせコース19800円の一品)
ボンジュール。さらに地方で光るフランス料理店の一品です。石川・輪島の『ラトリエ ドゥ ノト』の名物は、小松菜を練り込んだクレープ。〆サバなどの鮮魚を地元の海藻6種をまぶした自家製バター、山で摘んだ春蘭の酢漬けと一緒にくるっと巻いてパクリ。
これぞ能登の里山里海の醍醐味。んーーまだ見ぬ孫にも食べさせたい。大地震の被災により店は休業中。池端隼也シェフ、待ってます!
『ラトリエ ドゥ ノト』〆サバのクレープ(おまかせコース6160円~の一品)
『酒と肴 ててて』@荻窪
[店名]『酒と肴 ててて』
[住所]東京都杉並区荻窪4-32-8-101
[電話]03-6279-9016
[営業時間]17時〜23時(22時半LO)、土・日:15時〜22時(21時15分LO)
[休日]月、他不定休
[交通]JR中央線荻窪駅南口から徒歩5分
『HAGI』@福島県
[店名]『HAGI』
[住所]福島県いわき市内郷御台境町鬼越171-10
[電話]0246-26-5174
[営業時間]18時半〜22時※完全予約制
[休日]不定休
[交通]JR常磐線ほかいわき駅からタクシー15分
『ラトリエ ドゥ ノト』@石川県
[店名]『ラトリエ ドゥ ノト』
[住所]旧住所:石川県輪島市河井町4-142
※再開準備中
撮影/貝塚隆(ててて)、米山典子(HAGI)、村涼太(ラトリエ ドゥ ノト)、取材/渡辺高
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
※画像ギャラリーでは、朝獲れメヒカリの薪焼きの画像をご覧いただけます。
※月刊情報誌『おとなの週末』2026年8月号発売時点の情報です。

■『おとなの週末』2026年11月号は「おいしい坂道散歩 神楽坂」






