『おとなの週末』を作る。それは、今日は寿司、明日はフレンチ、明後日はケーキにケーキに焼肉……ほぼ毎日、いろんなおいしいに出合うということでもあります。しかし、そのいろんなおいしいを優先することで、自身の大好きがなおざりになってしまうということでもあります。ちょっと悲しい……。
そこで、編集・武内とライター・肥田木が大好きなものを紹介するコーナーを設けることに。といっても、武内の大好きはカツカレー、肥田木はたまごサンドと、偏愛ぷりが激しいのですが。その第1回は肥田木の『たまごサンドが大好きすぎて』。いってみましょう!
たまご料理&パンを愛する自称「たまごサンド偏愛家」のライター肥田木奈々が都内&近郊を駆け回る。それは人生の本質を学ぶ壮大なる巡礼の始まりなのであった!? いざ行かん、そこにたまごサンドがあるならば!
約15年前、東銀座の喫茶で小さな恋をした
サンドイッチ界の絶対的王者、それはきっと「たまごサンド」だと私は思う。
想像してみてください。コクまろのたまご&ふわふわのパンが織り成す黄色と白の桃源郷……いやもう考えただけでよだれが洪水のようにあふれ出る。
パン屋さんはもちろん、喫茶から洋食店、居酒屋やバーでも提供され、今や外国人にも日本のコンビニのそれが大人気。どうやら我がジャパニーズエッグサンドは世界でも絶賛される旨さらしい。
そりゃそうです、定番の茹でたまごのフィリングタイプから、ダシ巻きやオムレツなどスタイルだって実にさまざま。ハムや野菜もいいけれど、これほど小さい子供からお年寄りまで、世代も国境も超えて愛されるサンドイッチは他にないんじゃないだろうか――。
出発地は私が世界一好きなたまごサンドの聖地からお届けしよう。
今年で創業43年になる東銀座の名物店『喫茶アメリカン』だ。ああ知ってる、巨大サンドが有名な店だよね……と思ったあなた、どうかどうか画面をスルーしないでほしい。
メディアがこぞって強調するデカ盛りだけを伝えたいのではないのです。実はこれまで何度も取材させてもらっているが、個人的な出合いは15年ほど前。たまたまテイクアウトで買ったその味に、私は小さな恋をした。そう、すべてはこの店から始まったのだ。
老舗ベーカリーから届くパンはしっとりふかふか、マヨネーズで和えたたまごの具は濃厚でクリーミー。「ザ」が100個ぐらい付くほどシンプルで実直なおいしさは、たまごもパンも大好きな私の心をゆっさゆっさと揺さぶった。当時は今ほどデカ盛りではなかったけれど、パンの分厚さとたまごの素材を生かした味は界隈でも評判。銀座に行く時は必ず通っていたのだが……。
気づけばこの10数年で大きさがパワーアップ。あれよあれよという間に人気に火が付き、たまごサンドが名物の行列店になった。
何だか私だけの大好きな初恋の人がみんなのアイドルになっちゃったようで、テレビや雑誌でタレントが頬張っているのを見かけると軽くジェラシー(笑)。でも昨年末にあのジャスティン・ビーバーがお忍びで訪れたと聞いた時は「ひえ~世界的大スターも来る有名店になったのかぁ」とうれしくて目頭がじぃんと熱くなった。あ、ちなみにジャスティンはハムをチョイス、ご家族がたまごサンドを召し上がったそうです(笑)。




