国の重要文化財の一切経の版木
江戸時代前期、黄檗山萬福寺の隠元禅師から、「一切経(いっさいきょう)」の印刷を託された鉄眼禅師が、印刷所として寛文9(1669)年に建立したのが宝蔵院の始まりです。一切経は大蔵経とも呼ばれ、仏教の経典を集めた、仏教の百科事典的な存在で、その数は全6956巻。17年の歳月をかけてすべての版木を開版し、大量印刷が可能になったことで、各宗派の僧や信者に経典が行き渡るようになりました。
宝蔵院には、約6万枚の版木が所蔵されていて、4万8275枚は1957(昭和32)年に国の重要文化財に指定されています。この版木は、明朝体の元である明の時代の書体で彫られていて、400字詰の原稿用紙の規格になったそうで、出版やデザインの仕事に携わる方にとって、興味深い内容だと思います。
1961(昭和36)年に完成した3階建ての収蔵庫は、空調設備がないため、庫内の温度や湿度の管理が十分ではないそうです。また一部の版木は重ねて平積みしているため、反り、割れ、カビ、虫食いの恐れがあります。
「鉄眼禅師の功績と6万枚の版木の存在を知ってもらい、版木の調査や収蔵庫の改善に広く協力を募りたい」と盛井幸道住職を中心にスタッフや有志らが集まって「鉄眼プロジェクト」を発足。収蔵庫の見学会やイベントをはじめ、様々な企画が行われ、それらのひとつとして、寺そば(ヴィーガンラーメン)を始めることになりました。






