新年度に入って心機一転、新しいことに挑戦したり、一方で肩肘張った毎日にお疲れ気味だったりと、身心とも揺らぎやすい時期の癒しに、「自宅で一杯」は欠かせません。いまやウイズコロナで定番化した“宅飲み”ですが、マンネリに陥りがちなおつまみ選びに、自分の嗜好に合わせてAI(人工知能)が診断、分析するサブスクリプション(定額制)サービスが登場。ベストチョイス?それとも意外や意外?AIのなせるワザとは―――
診断システムの構築に数カ月、数百種類の中から厳選
AI診断で自分の好みにあったおつまみが月に1回自宅に届く“ご褒美おつまみ定期便”「nohaco(ノハコ)」。手がけるのは、Web制作およびコンサルティング業務などを行っている「Clap」(名古屋市)と、1918年に手焼きせんべい店として開業したおつまみ専門店「平光(ひらみつ)商店」(岐阜県岐阜市)です。今では全国各地の逸品を取り扱う平光商店が、店頭で客が商品を購入する際にヒアリングした膨大な情報をClapがデータ化、AIを使ってその人の好みに合わせ厳選した数百種類もの中から6種を選定するシステムを開発しました。
とは簡単にいうものの、分析結果が必ずしも平光商店がおススメしたい商品と同じとは限らず、試行錯誤を繰り返してシステムの精度を上げるのに数カ月かかったそうです。さらに細かい調整を重ねて完成したAI診断について、開発担当者は、「消費者がオーダーしたものだけを淡々と届けるシステマティックなネットショッピングとは異なる、特別な体験という『新しい買い物のかたち』を届けたい」と意気込みを語ります。
「食べたいおつまみ」は直感で! 店頭で相談しているような「疑似体験」
では早速、専用サイトにアクセスして、いざ、初のAIによる「おつまみ診断」をスタートしてみましょう。
まずは、おつまみと一緒に味わいたいお酒を「ビール、赤ワイン、白ワイン、洋酒(ウィスキーなど)、日本酒辛口、日本酒甘口」の中から2種選びます。筆者は「白ワインと洋酒」をピックアップ。次からは、「食べたいと思うおつまみを直感で選んでください」として、せんべいや乾きもの、ドライフルーツ、豆類など4品が列挙され、その中からひとつを選びます。
この設問が6項目続きます。例えば、「イカ揚げもち/マカデミアナッツ/帆立ひもしぐれ/牛辛せん」や「揚げたて剣先/わさび海老せん/丹波大黒/無漂白ドライマンゴー」といった具合です。
ここで大切なのは、あくまで「直感」で選ぶこと。アタマでアレコレ悩む前に直感でビビッときたモノこそ、より本来の自分好みに近いというもの。まるで店頭で店員さんに、おススメを相談しているような感覚です。
ほかに「どういったシーンでお酒を飲むことが多いか」などの質問が続き、最後に「気に入ったおつまみは何度届いてもうれしい/常に新しいおつまみが届いた方がうれしい」と聞かれ、「定番、変わり種、どちらもバランスよく」と回答して終了。質問項目は全部で13、所用時間は5分程度でした。