確実に手に入れたいなら、午前中の訪問はマスト
「シーラカンス モナカ」は、ずっと気になっていた。
オーナーシェフの名前を冠した「kazunori ikeda オンラインショップ」をチェックし、シーラカンス モナカが販売になる11時前からポチる準備をしていたが、連日惨敗。手に入らないとなると、よけいに思いは募るもの。厳しい残暑が続いていた9月のある日、仙台市内にある『maison cœlacanthe(メゾン シーラカンス)』へ出かけることにした。
まず、シーラカンス モナカを販売するメゾン シーラカンスとオーナーシェフについて触れておきたい。
公式サイトとSNSによれば、オーナーである池田一紀シェフは、東京やパリの名だたる老舗で修業。2021年8月にオープンしたメゾン シーラカンスよりもずっと前の2011年12月、仙台市内に『kazunori ikeda individuel(カズノリ イケダ アンディヴィデュエル)』をオープン。本場で培った技術や感性を注ぎ込んだ本格的なフランス菓子は、仙台の人々に支持され、現在3軒まで店舗数を増やしている。
そんな池田シェフが、新ブランドとして立ち上げたのがメゾン シーラカンス。店内にはケーキや焼菓子以外にベーカーリーやジェラートも並び、イートインスペースも設けている。
メゾン シーラカンスの公式SNSをたどると、2021年8月には、使用している食材をそのまま使い「イズニーバターもなか」と名付けていた商品を、2021年12月に「シーラカンス モナカ」へと変更。
2022年2月にはオンライン販売を開始するも、2022年6月10日に「シーラカンス モナカは現在、店頭、オンラインショップともsold out」と告知している。そして、その3日後の6月13日には、「6/13~6/15 シーラカンス モナカ販売休止のお知らせ」を投稿。
どれだけ人気なの?
私が初めてシーラカンス モナカを知ったのは、ネット記事だった。
2023年5月下旬に開催されたアイスショーで、羽生結弦さんが出演者に差し入れたのが、シーラカンス モナカだったという内容の記事。しかしメゾン シーラカンスの公式SNSをさかのぼると、それ以前からすでに人気だったということがわかる。
宮城県内にいながら、私が知らなかっただけなのね……情けない。
すでに人気を博していたシーラカンス モナカは、羽生さんの差し入れでまた話題を呼び、さらに入手困難なお菓子となった。
その幻の逸品を手に入れるべく、いざ仙台へ。
オープン1時間前である10時に店へ到着。女性客ひとりが先に並んでいた。
10時15分頃にスタッフが店から出てきて、列への並び方を案内してくれる。この時点で、待っていたのは5組。
10時45分頃。スマホをいじったり本を読んだりしている間に、気付いたら最後尾が目視では確認できなくなっていた。「ここは一体何の店なんだ?」という様子で、通行人がそろって眺めていく。
この間も、スタッフによる案内は続いていた。開店前から並んでいることへの感謝、近隣への配慮が感じられる丁寧な案内は、聞いていて気持ちがいい。
メゾン シーラカンスの公式SNSには、このような投稿もある。
「夕方に一度は完売したモナカですが、ずっとお待ちくださっていましたので、不足分を急いで箱詰して、在庫がある分だけですが、スタッフ総出でかんりょうしました。
最後の追加も少しばかりでしたが、こんごともよろしくお願いもうし上げます」(6月4日/原文ママ)
「オープン前の列が続くようであれば状況をみてオープン時間の前倒しも行っております」(8月15日/原文ママ)
おいしい物を作って終わり、売って終わりではなく、どうしたらお客が喜ぶのかを考えてくれる店であることが伺える。
こういう店が人気になるのはいいなぁなんて思っていたら、開店時間の11時に。店内に入ると、壁からショーケースのほうへぐるっと回るように順路が設けられている。
ケーキや焼菓子、パンには目もくれず、レジのスタッフに「シーラカンス モナカ簡易箱(6個入り)」1箱を注文。この日は簡易箱がひとり5箱まで購入できたが、公式SNSによればお盆の頃は3箱、6月は2箱までの時期もあった。一時期に比べて、製造がだいぶ追いついてきたのだろう。
無事に購入して外へ出ると、長い行列にびっくり!
支払い時に、日によって違うことは大前提で毎日どれくらいの時間に完売するのかを聞いてみたところ、「オープンして2時間で完売することが多いです」とのこと。
暑かったけど早めに行ってよかった~と、安堵しながら家路についた。