ちょいと飲んだ帰りに気に入りのお酒も買ってと、角打ちは楽しい!昔ながらの渋い酒屋はもちろん、最近では多種多様なジャンルの店も登場してきて、ますますの盛り上がり。ここ数年増えてきているのがワインの角打ち。気軽にワインを一杯、週末の晩酌用にボトルを一本など使い方はさまざま。“飲めて買える”個性派店をご紹介!
『Cave de Mimi』 @初台
店主の人柄が醸すゆるやかなワインスタンド
優しくてするする飲める。店主・岡田さんが注いでくれたワインの第一印象はこれ。扱っているのはナチュラルワインだが、個性的というより飲むほどに心地いいワインが揃っている印象だ。
以前の職場ではナチュラルワインを広めるために、あえてクセのあるワインも紹介していたという。でも、「今の店を始める前にブランクがあって、その間にこうじゃなくちゃ、みたいなものが抜けていって、きれいなワインが残ったというか」と柔らかな声で語る。
グラスワイン 770円~
岡田さんの接客は肩の力が抜けて穏やか。その空気に引き込まれ、ワイン談義を超えて話題はあちこちスパークすることも。「うちの店って3時間選手、5時間選手もザラなんです」と苦笑するのもよくわかる。
くつろげるから知らない者同士、気づけば言葉を交わしていたりする。これぞ岡田マジック。
八百屋や肉屋がある古いマーケットの一角という立地も最高で、夕食の買い物がてらワインを一杯なんて、まるで外国の市場みたいでかっこいいのだ。
[住所]東京都渋谷区初台1‐7-5 初台スーパー百貨店1階
[電話]なし
[営業時間]13時~20時、火・水14時~
[休日]日・祝、不定休あり
[交通]京王新線初台駅南口から徒歩3分
『wineshop lulu』 @学芸大学
物語のあるナチュラルワインと出合える一軒
にぎやかな学芸大学の駅前から店のある静かな通りに出ると、開け放たれた扉が“誰でもウェルカム”なムードを醸し出している。
セラーは奥に配置され店内はワインバーのような落ちついた佇まい。カウンターに立つのはワインを愛してやまない店主の江本さん。
ワイン商社やインポーター、ワイナリーで働いた経験もあり、暇さえあれば海外のワイナリーを訪ね歩いたというツワモノである。インポーターになろうと考えた時期もあったそうだが、「ワインに込められた造り手の想いを直接飲み手に伝えたくて」今のスタイルに。
グラスワイン 1000円~
扱うのはナチュラルワイン、これまでに出会った生産者や自分が飲んでおいしいと思うものを中心に揃えているという。前職を辞めてから1か月半ほどヨーロッパのワイナリーを回ったそうで、その旅の話も興味深い。
「実際に見たことや感じたことを伝えられたら」と江本さん。初めて飲むワインでもその物語を知ればより親しみやすくなる。そんなワインとの出会いがここにはある。
[住所]東京都目黒区鷹番3-18-3 ヒルズK1階
[電話]非掲載
[営業時間]15時~22時、日12時~18時
[休日]月
[交通]東急東横線学芸大学駅から徒歩3分
『NUPURI』 @三軒茶屋
立ち飲みでもレストランでも使い方はお好みで
角打ちでもしっかりした料理を出すところは少なくないが、レストランの厨房で料理を作っているというのはなかなかない。
店内は中央の大きなセラーを挟んで、手前がワインスタンド、奥がレストランという3つのパートに分かれている。ウォークインセラーは友人のワインショップが手掛けているそうで、ナチュラルワインが中心。
鳴門天然ハマチのカルパッチョ 2000円、ビーツのフムスとルティーやチップス 1000円、グラスワイン 1200円~
レストランで腕を振るうのはイタリアン出身の小淵シェフだ。野菜やスパイス使いが巧みで、ワインに寄り添うジャンルレスなメニューを繰り出す。調査時、軽く一杯のつもりでふらりと立ち寄ったところ、「軽く食べます?」と促されてレストランのカウンターへ。
実はレストランがオープンする18時からは奥のカウンター席も利用可能で、レストランと角打ち、どちらも同じ料理をオーダーできるのだ。
もちろん、ワイン一杯だけならスタンドで立ち飲みが気分。駅から少し離れた住宅街にあって、若者でにぎわう三茶らしからぬ落ち着いたムードも大人にはちょうどいい。
[住所]東京都世田谷区三軒茶屋1-9-9
[電話]080-7937-4906
[営業時間]ワインショップ&ワインスタンド15時~24時、日15時~22時
[休日]不定休
[交通]東急田園都市線三軒茶屋駅南口から徒歩8分