今や国内登録車の98%以上を占めるのがATだ。煩わしいクラッチやシフトの操作から解放され、ハンドルやアクセル操作、そしてブレーキ操作に集中することができる。ところがそんなATにもいろいろ種類があるのはご存じだろうか? 知っているようで知らなかった、ATの種類とそれぞれの特徴をご紹介しよう。
ランドクルーザー300の豪華なAT
AT(オートマチックトランスミッション/自動変速機)の種類は豊富だ。昔から使われている流体継手のトルクコンバーターを採用する有段式AT、電子制御される2組のクラッチを使った有段式AT(※)、無段変速式のCVTなどがある。さらにハイブリッドには独自の機能が使われるため、ATも多様化してきた。
※編注:その機構からはデュアルクラッチトランスミッション(DCT)やツインクラッチなどと呼称される
有段式ATについては多段化が進んだ。1980年代のトルクコンバーター式ATでは、軽自動車などには2速が使われ、小型車は3速か4速の組み合わせだった。それが今では、ランドクルーザー300のように10速ATもある。
耐久性と信頼性に優れたジムニーの4速AT
その一方でジムニーシリーズは、今でも耐久性と信頼性の優れた4速ATを搭載する。ATの変速幅も広がってきた。そこで楽しさ、快適性、コスパ(価格の割安度)で選ぶと、どのようなATが選択肢に入るかを考えたい。
運転の楽しさでは、速度管理のしやすさが重要だ。例えば速度を少し高めるためにアクセルペダルを緩く踏み増した時は、踏み方に応じて正確にエンジン回転数と速度が高まって欲しい。この関係にズレが生じると、微妙に運転がしにくくなり、車両とドライバーの一体感も削がれてしまう。運転して楽しくない。