無性~にパスタを食べたくなるとき、ありませんか?(あります!)たとえばそれは究極シンプルなトマトソースだったり季節の食材をふんだんに使ったものだったり、色々。そんな首ったけの“恋しい味”を、ご紹介します!
“シンプルイズベスト”まさにその言葉通りの王道パスタに出合える『オステリアベオーネ』@東北沢
パスタが好きだ。それもシンプルなパスタほどワクワクしてしまう。
ここ数年、ボクの心をガッチリ掴んでいるのが、東北沢のイタリア料理店『オステリアベオーネ』の「スパゲッティポモドーロ」だ。
トマト本来の旨みと酸味、自然な甘み。これらが一体化したパスタは、食べれば食べるほどさらに食べたくなるという不思議な魅力があり、おそらく何十回と食べているが、まったく飽きることがない。素朴な顔をしていながらとことんハマってしまう、“魔性のパスタ”なのである。
スパゲッティポモドーロ2200円
「特別なことはしていません。フライパンにEXVオリーブオイルと潰したニンニクを入れ、オイルに香りが付いたらニンニクを取り出し、そこにイタリア産トマトの水煮(ポモドーリ・ペッラーティ)と裏ごししたトマトピューレ、バジルを加えます。煮詰めていって仕上げに塩で味を調え、茹で上がったパスタと絡めれば完成です」(小野寺敦シェフ)。
ほかにも、サルデーニャ産カラスミをたっぷりふりかけるスパゲッティや猪ラグーのパッパルデッレなど、地味旨いパスタがいろいろと。
ここに来たらイタリア産ウイキョウとオレンジのサラダや、リボッリータで白ワインを楽しみ、スパゲッティポモドーロで食欲を加速。仕上げに煮込みや炭火焼で赤ワインを満喫。そこまでくると気分はもうフィレンツェ、なのである。
シェフ:小野寺敦さん、マダム:くみ子さん「シンプルな料理とワインをゆっくり楽しんでください」
[店名]『オステリアベオーネ』
[住所]東京都世田谷区北沢4-32-26・1階
[電話]なし
[営業時間]18時~22時LO
[休日]日、不定休あり
[交通]小田急線東北沢駅東口から徒歩5分
[HP]https://www.instagam.com/beone/?hl=ja
元気になれるシチリアの魔法の粉使い『トラットリアシチリアーナ・ドンチッチョ』@青山一丁目
浜辺に打ち上げられた風景のごとく、サッビア(砂)を纏った魚介とパスタ。“砂” はシチリアお得意のローストパン粉、筒型のパスタは盛大な魚介らに負けない、肉厚ド迫力の「パッケリ」である。がっしり噛めば、魚介のダシやピスタチオペーストのコクに負けない小麦の風味。
パッケリ・イン・サッビア3300円
シェフの石川勉さんは、とりわけパスタを大事にし、長年自ら担当してきた。
「イタリア修業時代、パスタのまずい店は、何を食べても旨くなかったから」
シチリアは乾麺文化の土地柄だ。ショートパスタの種類は無限、そして、そのどれもが噛んで噛んで噛みしめる系。
「ヨランダ」は同名の女王に捧げられたパスタ。ドレスの裾を模したフリルに、大きなクマエビと小さな唐辛子をトマトで煮込んだソースが絡む仕掛けだ。仕上げにはやはりローストパン粉。こちらはコンツァと呼ばれる、アーモンドやマグロのからすみが混ざった旨みの粉である。
段違いに香るシチリアのアーモンドと乾燥トマト、ナスの濃厚なペーストを、しっかりと螺旋が巻き取る「フズィッローニ」にも、魔法のパン粉。こちらはアーモンドの粗挽きを混ぜてカリカリに。
シチリアの豊かなパン粉使いは、チーズの代替であり、お腹も膨れる庶民の工夫。貧しくとも手にあるもので知恵を絞り、楽しく、とびきりおいしく!彼らのパスタは、だから元気になれるのだ。
シェフ:石川勉さん「ショートパスタは噛んで噛んで、からのワイン!」
[店名]『トラットリアシチリアーナ・ドンチッチョ』
[住所]東京都港区南青山1-2-6ラティス青山スクエア1階
[電話]03-5843-1393
[営業時間]18時~22時LO、土は17時半~
[休日]日、祝月、第1・3月
[交通]地下鉄半蔵門線ほか青山一丁目駅4番南出口からすぐ