滋味豊かな発酵の力を蓄えた魅惑の〆パスタ『falo+(ピュウファロ)』@虎ノ門
この店は“炭火焼きと発酵”がテーマ。床下に秘密の熟成庫があり、残ったパンで味噌や醤油を作り、端肉などの食材は捨てずに豚の熟鮓(なれずし)などの発酵調味料にして育てている。それが料理に奥行きを与える隠し味にもなるのだ。
例えばトルテッローニの肉味噌。これには名物のポルケッタの端肉から作る“ポルケッタ味噌”を加える。そこで、柔らかい味だが噛むほどに旨みや香りが染みだして、他では味わったことのない味覚がやってくる。
また海苔のパスタは、実は某有名シェフが編み出した伝説の名作。これに自家製柚子胡椒を使ってひと捻り個性をプラスして、この店の味に仕上げているのだ。
自家製柚子胡椒と海苔のタリアテッレ2200円
イタリアンはメインの前にパスタ、の順がセオリーだが、ここは〆で最後に出すのが基本。だから「最後まで食べきれるよう、軽さを意識しています」と江口拓哉シェフ。そこにさらに発酵の力が加わると、食べた翌日まで体が軽い。まさに最強の〆パスタというわけだ。
シェフ:江口拓哉さん「炭火でじっくり旨みを引き出した料理もぜひどうぞ」
[店名]『falo+(ピュウファロ)』
[住所]東京都港区虎ノ門2-6-3虎ノ門ヒルズステーションタワー4階
[電話]03-6268-8300
[営業時間]16時(土は13時)~23時(フード21時半・ドリンク22時LO)、日・祝:13時
~22時(フード21時・ドリンク21時半LO)
[休日]火
[交通]地下鉄日比谷線虎ノ門ヒルズ駅直結
漁港から届く魚が主役。太陽と海のイタリアン『ピスカリア』@葉山
「シチリアの市場に魚をずらりと並べたトラットリアがあって、お客さんが選んだ魚を注文通りに料理してくれるんです」とうれしそうに話す店主の出雲択逸さん。
30年前にそこを訪れて以来すっかり虜になり「いつかあんな店をやりたい」と19年前に葉山で店を開いた。近くにある佐島漁港は、小さいけれど良質な地魚が揚がることで知られる。そこで水揚げされたばかりのピカピカな魚が『ピスカリア』の店頭を飾るのだ。
パスタもシチリアらしい伝統的な食材の組み合わせばかり。赤エビのダシが溶けだしたトマトソースは、シチリアの特産品であるアーモンドが散りばめられ、食べるとふわりと南国の風が吹く。
赤海老とフレッシュトマト、アーモンドのスパゲッティ2370円、グラスワイン830円~
マグロの卵巣の塩漬け、ボッタルガをかけたショートパスタは、濃厚な海の香りに満ちている。
30年間、毎年シチリアに通っているという出雲択逸さん。そこから持ち帰った空気が、日本に居ながらにしてこの店を、現地を旅する空間としているのだ。
シェフ:出雲択逸さん「寒い時期こそ魚のおいしさが際立ちますよ」
[店名]『ピスカリア』
[住所]神奈川県三浦郡葉山町堀内918-20
[電話]046-802-8388
[営業時間]12時~15時(14時LO)、18時~20時半LO 休月・火 席全18席/カード可 交JR横須賀線逗子駅・京浜急行新逗子駅発、海岸回り葉山行き京急バス元町から徒歩1分