こだわりを知るにつれ、襟を正し、背筋を伸ばして飲みたくなる生ビール。しかし気軽に楽しんでこその生ビールでもある。ここでは気分次第でぶらりと立ち寄れる、立ち飲みスタイルの店をご紹介です。
銀座で気楽に楽しむピルスナー好きのためのとっておきビール『ピルゼンアレイ』@銀座
Hladinkaと書いて“ハラディンカ”と読む。おぉ、そうなのねと思っていると「チェコの伝統的な注ぎ方なんですよ」と店長の佐藤謙さん。
この店は10人も入ればいっぱい、すれ違うこともままならない小さな空間。それでも夜な夜なビール好きが集まってくる。
元々は『アサヒスーパードライ』の注ぎ分けが有名で、3つの異なる注ぎ方で味わえる。
スーパードライマツオ注ぎ900円、スーパードライサトウ注ぎ900円
そのためにヨーロッパから輸入したグラス、タップを使用する。もうひとつのメニューが世界にピルスナースタイルを広めた『ピルスナーウルケル』だ。
こちらは本場チェコの注ぎ方が基本。そう聞くと、ちょっと敷居が高そうだけど心配ご無用。ピルスナーは日本人がイメージする生ビールに一番近いタイプ。気負いなくおいしい生ビールをサッとひっかけられる。
店長:佐藤謙さん「チェコ仕込みのおいしいピルスナーを味わってください」
[店名]『ピルゼンアレイ』
[住所]東京都中央区銀座6-4-14HAOビル1階
[電話]03-6263-9292
[営業時間]17時~22時、土・日・祝:15時~21時
[休日]月
[交通]地下鉄銀座線銀座駅C2出口から徒歩3分
町に開かれたビール工房のいつものビールでのんびりリラックス『BEER VISTA BREWERY』@清澄白河
「その町で造るビールがちゃんとおいしくて、それを飲める店が当たり前にある。そういう町っていいなぁと思うんです」と話すヘッドブルワーの古里大輔さん。
なるほどその通りだなぁと思わずうなづいてしまった。
清澄白河と森下の間にあり、印刷所だったという場所にブルワリーを作った。小さな醸造所の手前には立ち飲みカウンターとテーブル席が用意されている。ストンと開けた空間で、休日にのんびりとビールを飲みたくなるような抜け感がいい。
目指したのは「誰にでも飲みやすいビール」だという。
定番のひとつ『Itsumono』は、苦みがやさしくまろやかなイングリッシュビターエールというスタイルをチョイス。どんなときでも飲みたくなるスタンダードなおいしさだ。
Itsumono1300円、トキワヘイズ1350円、バットフリップ850円
店の住所を冠した『常盤ヘイズ』は、ヘイジーIPAのジューシーでフルーティさはそのままに、飲み口は意外とドライ。だからクイクイ飲める軽やかさがある。
新しい店がどんどん増えて面白くなっている清澄白河周辺。そんな地元のお店とコラボしたビールも造っていて、まさに町のビール工房として活躍中なのである。
ヘッドブルワー:古里大輔さん、店長:赤池勇紀さん「犬連れやベビーカーもOK、気軽に立ち寄ってくださいね」
[店名]『BEER VISTA BREWERY』
[住所]東京都江東区常盤2-13-17トキワハイツ1階
[電話]03-6659-6657
[営業時間]16時(土・日14時~)~22時
[休日]不定休
[交通]地下鉄大江戸線ほか清澄白河駅A1出口から徒歩4分
メーカー渾身の注ぎ方で人生が変わるような生ビールを飲んでみたい『サッポロ生ビール黒ラベルTHE BAR』@新橋
バランスのよさで生ビールラバーに愛される『サッポロ生ビール黒ラベル』。そこでメーカーのサッポロビールが、さらに“完璧な生ビール”を目指して真剣に取り組んだ。
パーフェクト黒ラベル550円、おつまみ燻製盛り合わせ580円
用意されたのはふたつのサーバー。昭和に活躍したスウィングカランで注ぐのは、一度注ぎでのどを抜ける爽快感を演出する『ファースト』。
パーフェクト黒ラベルカランは、クリーミーな泡とクリアでキレのよい『ザ・パーフェクト黒ラベル』を生み出す。
この真逆なおいしさの飲み比べがまた楽しい。
そしてもうひとつ、両方のいいとこどりの『ハイブリッド』も味わえる。ここでは2杯までしかオーダーできないが、それも本気で生ビールをおいしく飲むためのルール。
「生ビールってこんなにおいしく、そして奥深いものだったのか」。
そんなふうに思えるほど、初めて出合う生ビールの世界が待っている。
マネージャー:柿沼謙太朗さん「注ぎ分けで味わう黒ラベルの懐の深さを味わってください」
[店名]『サッポロ生ビール黒ラベルTHE BAR』
[住所]東京都中央区銀座5-8-1GINZA PLACE地下1階
[電話]050-5811-5682
[営業時間]11時半~22時(21時半LO)、日・祝:11時半~21時(20時半LO)
[休日]年末年始、月、第3火
[交通]地下鉄銀座線ほか銀座駅銀座四丁目交差点改札直結
路地に隠れた立ち飲みで中華と極上生ビールのゴキゲンな夜『スタンドクラシック新橋店』@新橋
熱々の餃子にハフハフになったら、キンキンの生ビールをプハァ。やっぱりこの組み合わせは最高だ!
よ~く冷えた『サッポロ黒ラベル』は丁寧に、丁寧に凍らせたジョッキに注がれる。だから冷たさが持続して、少し時間がたってもビールをおいしく飲み切れるというわけ。
サッポロ生ビール黒ラベル580円、エビス黒ビール690円
生ビールは『エビス黒ビール』、『ハーフ&ハーフ』、『白穂乃香』の4種。それぞれ薄張りグラスなど、ビールに合ったグラスを使っているのもおいしく飲んでもらうためだ。
本格中華メニューが人気のこの店の名物は餃子。カリッと香ばしく焼けた餃子はにんにく、生姜、シソと3種類ある。他にも刺身のカルパッチョのようなアレンジ中華など、小皿も多いのでひとり飲みも気楽にできる。
スタイリッシュな雰囲気だけど、早い時間からワイワイ盛り上がる、新橋らしい気取らない立ち飲み店だ。
店長:東真平さん「キンキンに冷えたビールのほか日本酒やウイスキーも充実してます」
[店名]『スタンドクラシック新橋店』
[住所]東京都港区新橋3-9-2岡崎ビル1階
[電話]03-5843-7422
[営業時間]17時~24時半(23時半LO)、金~翌2時半(翌2時LO)
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか新橋駅烏森口から徒歩5分
撮影/西崎進也、取材/岡本ジュン
■おとなの週末2025年7月号は「さっぱり&ピリ辛で楽しむ 夏の麺」特集
※2025年6月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
…つづく「【厳選】“呑める下町食堂”東京の3軒 現代のデパート大食堂で昭和を感じる!」では、気の利いたつまみもあって、お酒も充実。そんな“呑める食堂”をレポートしています。