旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■サラダに
正解:トレビス
難易度:★★★★☆
包丁は使わない! 手でちぎって!
トレビスは、キク科キクニガナ属に属する葉野菜です。見た目は紫キャベツに似ていますが、紫キャベツがアブラナ科なのに対しトレビスはキク科と、まったく別の植物です。
葉は赤紫色、軸や葉脈は白く、コントラストの美しさが特徴です。
イタリアでは「ラディッキオ・ロッソ」、フランスでは「トレビス」、アメリカでは「レッドレタス」などと呼ばれています。
丸く結球したタイプと、細長い非結球タイプがあり、丸いものは「キオッジャ」と呼ばれ、日本ではこちらが一般的。
細長いタイプは「トレビーゾ・プレコーチェ」や「トレビーゾ・タルディーボ」といった品種があり、チコリとして扱われることもあります。
原産地は地中海沿岸、とくにイタリアやフランスなどで古くから食べられてきた歴史があり、北アフリカにも自生していたとされます。
日本には1980年代以降に導入されたものの、おもにレストランなどで使われることが多かったのですが、近年では、スーパーなどでも見かけることが多くなってきました。
国内では北海道、長野県、岡山県、鹿児島県などで栽培されており、少量ながら国産品も出回っています。
冷涼な気候を好むため、晩秋から初春にかけてが収穫の最盛期となります。輸入品は通年流通していますが、国産のものはこの時期に集中して出荷されます。
ただし、長野県などでは6月~10月にも収穫できるよう計画栽培が行われており、地域によって旬が少しずれることもあります。
トレビスの魅力は、なんといってもそのほろ苦さとシャキシャキした食感です。葉はやや厚めで、キャベツとレタスの中間のような歯触り。生のままでも食べられ、サラダに加えると彩りが豊かになり、ほろ苦さがアクセントになります。
また、料理の見た目を引き立てる存在としても重宝されています。ヨーロッパでは肉料理の付け合わせ野菜としておなじみです。
加熱調理も可能で、火を通すことで苦味がやや和らぎ、甘みや旨味が引き立ちます。たとえば、ソテーすることで、ベーコンやにんにくの香ばしさとトレビスのほろ苦さが調和し、深みのある味わいになります。
包丁で切ると鉄分と反応して褐色に変わりやすいため、手でちぎるのがおすすめです。



