ホームページはなく、予約は電話のみ。家族だけで運営する宿は「効率化」や「デジタル化」とは無縁の昔ながらの宿だ。だからこそ、日常のドロドロを洗い流してくれるデトックス力はケタ違い。宮城県・鬼首(おにこうべ)温泉の吹上温泉 峯雲閣の“滝つぼの湯船”で大自然にどっぷり浸かってきた。
聞こえるのは滝と川音、鳥のさえずりだけ
宮城県にある温泉地のなかで最北端にある、鳴子温泉郷。その5つの温泉地の中でも、もっとも奥まった秘境が鬼首温泉だ。鳴子温泉から車で15分。山深くへと分け入ると、空気の色が変わる。
周囲には噴気が立ちのぼる地獄谷、しぶきを上げる間欠泉。まるで異界の入り口に迷い込んだような、神秘的な気配が漂う。妖怪がふっと姿を現しても不思議ではない。
この地にある5軒の宿のひとつ、「吹上温泉 峯雲閣」の名物は、なんと“滝つぼの温泉”。朝5時半、クリーム色の河原の石を踏みしめながら滝つぼへ向かう。露天風呂を抜けると、足元には石ころが転がる川原が広がり、滝の音がザアザアと響く。
新緑のまぶしい緑、ルビー色のツツジ、ウグイスの声。大自然に包まれて、滝の前に腰を下ろすと、そこは驚くほど温かい。 飛沫を浴びながら浸かる湯は、まさに“自然そのもの”。







