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全店実食調査をもとに、本当におすすめできる店だけを紹介する『おとなの週末』。7月15日に発売したばかりの8月号は、「夏の粋 うなぎ」を大特集!このページでは、今年の「土用の丑の日」である7月26日を前に特集の目玉コンテンツを気前良く公開しちゃいます。【全3回の後編|前編中編を読む】

素材のよさは言うまでもない。が、それだけでは足りない。狙い通りの味を生み出すための技、知識、何より旨いうなぎを食べさせたいと言う情熱。夏のご馳走だからこそ、そんな技と矜持を持つ匠が焼き上げるうな重こそ堪能したい。今回は上野周辺エリアで楽しめる絶品うな重をピックアップしました。ひと夏の感動はこちらでどうぞ!

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太く大きい身が横たわる、うな重の理想形ここにあり!『わたべ』@春日

うな重はこうでなくっちゃね……というひとつの理想形がこれじゃないだろうか。お重を埋め尽くす大ぶりのうなぎは有無を言わせぬ存在感。肉厚の身からとろける豊満な旨みに腹の底から声が出る。いやぁすごいわ。1尾約250g。

うな重特上(肝吸い付き)6160円

『わたべ』うな重特上 肝吸い付き 6160円 圧巻の大きさを誇るうなぎはふわっ、とろっ、熱々。お見事!コクのあるタレは醤油と砂糖と味醂のみの関東風。産地は仕入れ等で変わり、最近は宮崎などが多い。米は冷めてもおいしい千葉産「多古米」

このサイズを安定して仕入れるため数か所の問屋と取引しているとか。そもそも大きさにこだわるのは万人に好まれる”脂がたっぷり乗ってふわっと柔らかい”味を追求した結果だ。

愛される美味の裏には数々の技がある。

1.口溶けを良くするため小骨を1本1本抜く

2.茶葉と共に蒸して風味よくクセのない旨さに

3.備長炭で身の中まで熱々に焼いてすぐ提供、等々。

『わたべ』。高火力で身側を焼いてふわとろに

ちなみにご飯は濃いめと薄めの2種のタレをかけ、箸を入れた場所で若干の味の変化を楽しめるようあえて均一にしないとか。人気も大いに納得、恐れ入りました!

『わたべ』3代目 渡部善隆さん

3代目:渡部善隆さん「家族経営ならではのフレンドリーな接客を心掛けてます」

『わたべ』

[店名]『わたべ』
[住所]東京都文京区小石川1-9-14
[電話]03-3812-7448
[営業時間]11時半~14時半(13時半LO)、17時~21時(20時LO)
[休日]水・木
[交通]都営三田線ほか春日駅A5出口から徒歩1分

じっくり蒸したうなぎが最後に待つ極上コース『吉里 谷中総本店』@千駄木(※吉の字は本来、土の下に口)

谷中の路地裏に昭和の文豪の御宅のような渋い古民家が現れた。引き戸を開けるとドドンとガラス張りの厨房が。桶で暴れるうなぎの大きいこと!

産地は固定せず季節によってベストなうなぎを見極める。関西風のパリッとしたうな重もリクエストできるが「蒸しにこだわる当店の関東風を味わってほしい」と菊池悠希料理長。

うな重:料理はすべて鰻膳「藤」コース(7480円)からのもの

『吉里 谷中総本店』うな重 料理はすべて鰻膳「藤」コース(7480円)からのもの。うなぎの様々な部位と季節の料理も味わえる人気の鰻膳「藤」 厚みのある関東風のうな重。甘めのタレとワサビが合う

20~25分と長めに蒸すのは身質が柔らかで大きいからで、さらに個体に合わせ秒単位での調整も。また遠赤外線の焼成機で焼くのは、火力が安定するのでブレがなく、常に同じ仕上がりのうなぎを提供できるからだ。

『吉里 谷中総本店』蒸しの最後に脂の抜け具合、柔らかさを軽く押して確認。この作業が極上の味の秘訣だ

滴った脂から出た煙が身を包み、芳醇な風味がまとわりつく。うなぎの旨みが溶けた継ぎ足しのタレを5回塗れば、ふっくら柔らか、とろけるようなうなぎに硬めに炊かれたご飯の完璧なマリアージュ。脱帽です!

『吉里 谷中総本店』料理長 菊池悠希さん

料理長:菊池悠希さん「コースではうなぎの部位の味や食感の違いもぜひ楽しんで」

『吉里 谷中総本店』

[店名]『吉里 谷中総本店』
[住所]東京都台東区谷中3-2-6
[電話]03-5834-2081
[営業時間]11時半〜21時半(フード:20時45分LO、ドリンク:21時LO)、水・日・祝:11時半〜21時(フード:20時15分LO、ドリンク:20時半LO)
[休日]不定休
[交通]地下鉄千代田線千駄木駅1番出口から徒歩3分

父が愛した店と味、守る決断をした姉妹の挑戦『鰻かねいち 東上野』@御徒町

この店の紹介はすなわちそのまま家族の物語だ。ベタなタイトルを付けるなら「姉妹で守る父の味」。もともとうなぎの問屋で、昭和40年に父が始めた店を30年ほど手伝っていたのが姉の幸子さん、全く別の仕事をしていた妹の紀子さん。

6年前に急逝した先代は自分の代で店を畳むつもりだったそうだが、父が遺したタレを守るため、亡くなって1週間後には姉妹で営業を再開させたとか。

『鰻かねいち 東上野』61年継ぎ足しのタレが宝。素材の状態で蒸し時間を調整してよく焼きに

国産のいい素材を使い、しっかりめに焼く父の技を意識した味は常連客の「先代と同じ」「腕を上げたね」の声が励み。気軽な店でありたいとの想いも受け継ぎ、1尾以上入る特上で4000円台とはありがたくて泣けてくる。

特上うな重(漬物・きも吸付)4400円

『鰻かねいち 東上野』特上うな重(漬物・きも吸付) 4400円 うなぎは愛知産が中心。特上は1.25尾分

姉妹のモットーは「まずはやってみよう」。ソムリエの紀子さんが選ぶワインや白焼重の提供など、ふたりの挑戦にお父上も天国で驚いてるかも。

『鰻かねいち 東上野』(右)店主 鈴木紀子さん (左)鈴木幸子さん

店主:鈴木紀子さん、鈴木幸子さん「妹のアイディアが斬新で面食らってます(笑)by姉」

『鰻かねいち 東上野』

[店名]『鰻かねいち 東上野』
[住所]東京都台東区東上野1-23-5
[電話]03-3831-7122
[営業時間]10時~14時半(13時45分LO)、17時~20時(19時LO)※土の夜は~19時半(18時半LO)
[休日]日・祝、第2土※7、8月は変則的・HPで要確認
[交通]JR山手線ほか御徒町駅・上野駅から徒歩7分

撮影/貝塚隆(わたべ)、浅沼ノア(吉里、かねいち)、取材/肥田木奈々(わたべ、かねいち)、白石あづさ(吉里)

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

※画像ギャラリーでは、絶品うなぎ料理の画像をご覧いただけます

月刊情報誌『おとなの週末』2026年8月号発売時点の情報です。

『おとなの週末』2026年8月号
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