鼻腔をくすぐる芳しきスパイスの香り……食欲そそりますよね~!日増しに高まる気温や湿度、いよいよ夏へ向かってまっしぐら。そんな時期こそ、スパイスめしでキめてみませんか?国籍を縦横無尽に飛び越えた様々な味、たくさんご紹介します!今回は、都内で見つけた魅惑のスパイスめし5選です。
主役のタンドール窯とワインに寄り添う絶品つまみが出迎える『tandoor room PRENKHA(タンドールルーム プレンカ)』@学芸大学
コの字カウンターの中心に、タンドール窯がどーんと鎮座している。こんな楽しいことがあっていいのだろうか。インド料理店ではお馴染みでも、まさかのワインバーに、である。目の前で焼き上げる季節の野菜やチキンは、香りも旨みも格別だ。
クリエイティブにスパイスを駆使する押上『スパイスカフェ』の料理に衝撃を受け、その門を叩いたという店主の岸田禎之さん。そのDNAに根差したつまみも秀逸。伝統的なベースに独自のロジックを掛け合わせ、洗練されたひと皿を生み出している。
例えば、ビストロ定番のウフマヨにスパイシーなソースをまとわせたり、時には自家製デュカでヌケ感を作り、ナチュラルワインと繋いだり。
冷製レバーとハツのアチャール880円、ウフマヨ640円(2個)、各グラスワイン1000円~

タコとアボカドにマスタードオイルを効かせた一品は、「どちらもワサビと合う食材。マスタードのスーッとする風味は、ワサビのニュアンスに近いんです」と岸田さん。
その狙い通り、相性は抜群。つまんで飲んで、最後は焼きたてのナンとカレーで、幸せに締めくくれるのだ。
店主:岸田禎之さん「ワイン以外に、ジン、ラム、カクテルなどもありますよ」
【LOVE SPICE】
「この店のためのデュカを作ろう」と岸田さんは考えた。
デュカは中東発祥のシーズニング。ローストしたナッツやスパイスをミックスするが、ここでは食感をよくするため、素材は手作業であえて粗めに潰している。
また、乾燥ミントを効かせているので、インド系のスパイスの中にすっと抜けるような清涼感がプラスされている。
[店名]『tandoor room PRENKHA(タンドールルーム プレンカ)』
[住所]東京都目黒区鷹番3-7-13弘洋ハイツ102
[電話]080-1643-3556
[営業時間]17時~23時
[休日]木、不定休
[交通]東急東横線学芸大学駅西口より徒歩2分
中国の小さな町で味わった郷土料理を鮮やかに磨き上げる『蓮香(レンシャン)』@白金高輪
中国のローカルな暮らしに息づく食やレシピを求め、年に数回は現地に飛ぶ、”旅する料理人”の店主・小山内耕也さん。おまかせコースは初めて出合うスパイスに満ちている。でも食べればなぜか懐かしい。
「僕がやっているのは、少数民族や田舎の街で日常的に食べられている家庭料理。それを料理人の技術で引き上げているだけなんです。だから本当に地味な料理ばかり」と笑う。
だが、その普遍性こそが、多くの人にシンパシーをもたらす由縁だ。
取材時、ちょうど旅から帰ったばかりという小山内さんが作った「鶏肉と豆鼓、焦がし唐辛子炒め」は、現地で出会ったフーラージャオが主役。スモーキーな香りや辛みもあるが、一瞬でホカホカの白飯を欲する罪な味だ。
コース7500円、ボトルワイン2900円

中国のトリュフ卵と呼びたくなるのは、木姜子(ムージャン)を入れたオムレツ。エキゾチックな清涼感のなかに隠れた妖艶な芳香にひと口で虜になった。
「鶏手羽の西双版納式スパイス煮」は、香港の伝統的な煮込み「ルースイ」の南方版。こちらは南国のアロマが心地よく五感を刺激する。
「何度訪れても初めて出合う発見がある」という中国は、未知のスパイスの宝庫。旅する料理人の探求は、これからも尽きない。
店主:小山内耕也さん「料理にぴったりな紹興酒も色々揃っていますよ」
【LOVE SPICE】
フーラージャオは、中国・雲南省周辺で栽培される、とりわけ香りが強い品種の唐辛子を薪の直火で焦がした伝統調味料。ふくよかでスモーキーな香りが特徴で、辛さの度合いは多様にある。
小山内さんは炒め物によく使うという。再び火を入れることで、閉じ込められていた独自の香りと風味が、皿の上でよりいっそう鮮烈に蘇る。
[店名]『蓮香(レンシャン)』
[住所]東京都港区白金4-1-7
[電話]03-5422-7373
[営業時間]18時半~23時
[休日]不定休
[交通]地下鉄南北線ほか白金高輪駅A4出口から徒歩約10分
店主の”面白い”を軸にスパイスで自由に遊ぶ空想酒場『ラムとスパイス キクヤ』@三軒茶屋
ラム炙りタタキの艶やかな赤みを帯びた断面に、ゴクリと唾をのむ。待ちきれず、即座に箸を伸ばせば、ラム特有の香りがクミンと寄り添い、噛むほどに旨みがあふれる。塩で食べるのも良いが、一度食べたら戻れなくなるのが添えられた山葵ライタだ。
ラム炙りタタキと山葵ライタ1600円、5種盛り合せ(ほうれん草としらす、春ピーマン、スナップエンドウ、ミニトマト、人参と果実)1000円

この山葵と醤油入りヨーグルトソースのツンとした辛みと醤油の香ばしさが、ラムの甘みを引き立てる。和素材とスパイス、ラムの出合いがこんなにも調和するとは、驚き!
ここ『キクヤ』では南インド料理をベースに、スパイスと和の要素で創作する、かつてない”空想”メニューを楽しめる。組み合わせの面白さを重視した料理は、型にとらわれないものが多く、なかでもラム肉とスパイスを掛け合わせたメニューは必食だ。
ほかにも、南インド伝統料理ドーサの「いか玉」も衝撃で、これ、見た目は完全にお好み焼き。店主・三木基弘さんの出身地である大阪の味に、巧みなスパイス使いを重ねて生まれた1品だとか。そんな自由なスパイス遊びにハマること必至だ。
店主:三木基弘さん「朝は南インドの朝食もやっています!」
【LOVE SPICE】
スパイスおでんの味変用に作られた『キクヤの素』。カツオだしと好相性のクミンをメインにコリアンダー、チリなどを使う。スタッフがまかないのパスタにかけて以来、何にでも合う!と商品化されたとか(1100円)。
餃子や蕎麦にも合うそう。面白い組み合わせを試し続けるという、この店の”素”が詰まったスパイスペーストだ。
[店名]『ラムとスパイス キクヤ』
[住所]東京都世田谷区太子堂5-1-12・1階
[電話]03-6453-4381
[営業時間]8時~14時(13時LO)※朝は掲載メニューの提供なし、月~金:18時~24時(23時LO)、日・祝:15時~22時(21時LO)
[休日]朝のみ木曜
[交通]東急田園都市線ほか三軒茶屋駅から徒歩約7分





































